平成29年 第4回 定例議会

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 我が国では、平成20年から人口減少時代に突入しており、人口グラフカーブの急峻な山の頂に到達した後、人口減少は、加速度的に進み、平成22年の人口1億2860万人から、50年後には、8674万人まで減少すると言われています。
 毎年の予算づくりについては、足元の課題に追われる傾向がありますが、そのような中でも千葉市の未来図を点検しながら、「千葉市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略」等の将来ビジョンを踏まえながら、今からできる手立てを怠らないようにすべきと考えております。

新年度予算編成について

 新年度予算編成においても、引き続き厳しい財政見通しとのことであり、難しい編成作業になると推察されますが、本定例会の冒頭、市長からは、「財政健全化を推進しつつ、本市のさらなる発展に向け取り組んで行く」との基本的な考え方が示されました

 新年度予算編成において、市長が示された「財政健全化を推進しつつ、本市のさらなる発展に向け取り組んでいく」との基本的な考え方を踏まえて、どのような分野・施策に重きを置くのかお聞かせいただきたいと思います。

 新年度においても引き続き厳しい財政見通しである中、自立し持続可能な財政運営を進めつつ本市がさらなる発展を遂げていくためには、財政健全化の取組みを着実に推進しつつ、社会情勢の見通しなどを的確に踏まえ、施策の選択と集中を行い、限られた財源を必要な分野に重点的に配分していくことが重要であるものと認識しております。

 本市においても、人口減少や少子高齢化に伴う課題のさらなる顕在化が見込まれることを踏まえますと、生産年齢人口の維持・増加のための施策などの課題解決に向けた取組みについては、積極的な事業展開を図り、重点的に進めていく必要があるものと考えております。
 また、東京2020(ニイゼロニイゼロ)オリンピック・パラリンピック競技大会の開催などを市のさらなる発展に向けた契機と捉え、中長期的な「まちづくり」の観点から、地域資源を有効に活用しつつ、都市の魅力・活力向上に資する施策を重点的に進めていきたいと考えております。
 こうしたことから、平成30年度予算編成では、高齢者施策の分野で在宅高齢者等おむつ給付について見直しを行う一方で、これにより生じた財源を活用し、「地域包括ケアシステムの構築・強化」に向けた取組みを進めるなど、配る福祉から支える福祉への転換を進め、必要性の高い施策への重点化を図って参ります。
 また、子育てや地域経済活性化の分野では、雇用の場の確保や子育て環境の向上を通じて、生産年齢層や子育て世代人口の維持・増加を促進する観点から、民間活力による産業用地の整備を含めた企業立地の促進や民間保育園・子どもルームの整備などの待機児童対策を引き続き積極的に推進して参ります。
 さらに、本市の魅力・活力の向上に資する施策としては、千葉駅東口再開発や稲毛海浜公園の再整備のほか、千葉競輪場及び千葉公園体育館の再整備を推進するなど、本市が将来にわたり都市の活力を維持するための取組みを重点的に進めて参りたいと考えております。

第3次実施計画について

 急速な高齢化率の上昇、高齢者数の増加が続くと見込まれることから、人口減少と少子高齢化に対応した幅広い取組みが必要であると考えます。
 さらに、これまで人口増加にあわせ、市街地を拡大してきた本市にとって、現在の拡散した市街地のままで人口減少が進んだ場合、たとえば、バス路線など地域の公共交通の維持や地域活力の低下への影響などが懸念されるほか、人口ひとりあたりの公共施設の維持・更新費用が増大するなど、まちの持続可能性にも、少なからず影響を与えるものと思われることから、都市のあり方に関する長期的な展望のもとで取組みを推進することが重要と考えます。

 以上のような課題認識のもと、計画事業(案)について伺います。
一つに、事業選定の考え方について、
二つに、計画事業(案)の特徴について伺います。

 第3次実施計画は、新基本計画のまちづくりの「仕上げ」、その取組みを結実させていく段階の計画と考えております。そのため、計画事業の選定にあたっては、直面する人口減少や少子高齢化などの大きな課題への対応を前提としつつ、現在取組みを進めている第2次実施計画の進捗状況や課題、第1次実施計画に係る政策評価の中間評価結果を踏まえるとともに、新基本計画に定める「未来をつくる人材が育つまち」「みんなの力で支えあうまち」「訪れてみたい・住んでみたいまち」の3つのまちの個性の実現に向けたまちづくりの方向性や施策への貢献、市民視点・納税者視点での成果を重視しております。
 同時に、今般「脱・財政危機」宣言を解除したものの依然として厳しい財政状況であることに鑑み、これまでに培った「改革」のマインドを発揮し、将来的な財政負担及び財政健全化とのバランスや、未来への投資効果等を含めた総合的な観点から、「選択と集中」による事業の厳選を行っているところであります。

 次に、計画事業(案)の特徴についてですが、
人口減少・少子高齢化は、本市においても避けられない流れであることから、その影響を可能な限り軽減するとともに、そのような状況にあってもいきいきと暮らせるまちであり続けることができるよう、喫緊の課題に的確に対応するだけでなく、中長期的な地域社会のあり方を見据えた取組みについても積極的に進めていく必要があると考えております。

 このため、このたび公表した計画事業(案)では、少子化への対応として、安心して子育てができる環境を整備する「多様な保育需要への対応」「子どもルームの拡充」や、子どもを産みたいと願う人を支援する「不育症・不妊症対策の推進」などを位置付けるとともに、「小学校英語教育の充実」「キャリア教育の推進」など、未来を担う人材の育成に向けた取組みも位置付けております。
 また、急速に進む高齢化への対応として、高齢者の方が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう地域包括ケアシステムの強化を図る「在宅医療・介護連携の推進」「あんしんケアセンターの機能強化」などを位置付けるとともに、平均寿命の延びが今後も見込まれる中、高齢になっても健康に活躍できる社会の実現を目指す「100年を生きる健やか未来都市の実現」「生涯現役応援センターの拡充」なども位置付けております。
 同時に、人口減少局面にあっても、都市、まちの活力の維持・向上を図り、持続可能なまちづくりを進めるため、雇用の創出に向けた「企業立地の促進」「産業用地の整備」や、交流人口増に向けた「MICEの推進」「グリーンツーリズムの推進」などを位置付けるとともに、長期的な集約型都市構造への転換を図るべく、居住や都市機能の誘導並びに福祉分野・公共交通分野が連携した一体的な施策を検討する「立地適正化計画の策定」をはじめ、買い物・通院時などにおける高齢者の送迎をモデル的に支援する「高齢者の移動支援」や、老朽化した都市基盤施設の効率的な維持更新を図る「公共施設の計画的保全」「道路施設の長寿命化」などを位置づけており、短期・長期、ソフト・ハードの両面から、本市の未来へつなぐまちづくりを進めるための幅広い取組みを選定しております。

新庁舎整備について

 新庁舎整備の基本設計が策定されました。その概要では、新庁舎は地上11階建、基礎免震構造の鉄骨造り、延べ床面積が約4万9400平方メートル。そして、建物は、日常業務を行う高層棟を、みなと公園側に配置し、低層棟をモノレール市役所前駅と接続させるようにし、沿道型の配置に建設することが決定されました。また、整備費用については、約307億円を見込まれているとのことであります。

新庁舎

 しかしながら、本市は先般「脱・財政危機宣言」が解除されたばかりであり、財源の確保策とあわせ、将来負担へ配慮することが求められます。

 新庁舎整備にあたり、財政負担を抑えるための取り組みや方向性については?

 今回とりまとめた基本設計では、保全性や経済性に配慮しながら、建設コストのみならずランニングコストを含めたライフサイクルコストの観点から、構造や機能の検討を行うとともに、コスト算定にあたっては、アドバイザリー事業者の助言も踏まえ、事業費の精査を行って参りました。
 具体的には、必要な建物強度を確保しながら柱・梁の鉄骨の量を抑えることや、執務室に天井を貼らないことにより階高を抑制するなど、建設コストを可能な限り抑えるとともに、可変性や利便性を高めるユニバーサルレイアウトの採用や、自然換気や自然採光などの活用によるランニングコストの低減を図ったところであります。
 また、事業手法については、早期の着工が可能となり、整備コストの縮減や、交付税措置のある市債の活用など、財源調達の面で最も有利と考えられる、デザイン・ビルド方式を選定したところであります。
 今後の事業者選定にあたっては、設計と施工一体発注のメリットを最大限に生かし、可能な限り、コスト縮減を図れるよう工夫して参ります。

 現・基本設計を活かした今後の運用については?

 基本設計では、政令指定都市の拠点にふさわしい機能を備えた庁舎として、通常時のみならず、非常時の運用へのシームレスな移行に配慮し、建物の空間構成や機能配置を行ったところであります。
 今後、整備を進めるにあたっては、新庁舎の建物機能を最大限発揮できるよう、より一層の来庁者の利便性向上や業務効率化の検討を進めるとともに、低層棟の1・2階における市政情報の提供・発信やイベント開催など通常時利用をはじめ、非常時の防災情報の提供、一時避難者の受入れなど、供用開始後の運用を見据えたソフト面の取組みも検討して参ります。また、本庁舎周辺エリアには、市民生活を支える企業・団体等が多く集積していることから、非常時の連携をはじめ、その集積効果を高めるための「顔の見える関係性づくり」を進めて参ります。

 庁舎の余剰スペースや、みなと公園、千葉中央コミュニティセンター、さらには千葉県・企業土地管理局が、管理する土地など、新庁舎周辺エリアのまちづくりについては?

 本庁舎敷地は、リニューアルが進むJR千葉駅周辺エリアと旅客船桟橋など臨海エリアの中間点に位置するため、新庁舎を「まち」と「みなと」をつなぐ結節点と捉え、周辺エリアのまちづくりに寄与する設計としたところです。  具体的には、臨港プロムナードとみなと公園に面する沿道型の建物配置とするとともに、庁舎の表玄関となる低層棟に、明るく開放的なロビー空間をはじめ、市議会や市民センター、食堂・カフェ、イベントスペースなど来庁者利用の多い機能を配置することにより、臨港プロムナード沿いの賑わいに一定の効果を期待するものであります。
 また、今後、新庁舎整備を契機として、本庁舎敷地の将来活用検討地や千葉中央コミュニティセンターの土地・建物の利活用等について、検討を進めて参りたいと考えております。

人口減少社会に向けた都市政策について

 全国的に人口減少が進んでいるなか、市街地の再編が大きな都市政策上の課題となっています。

 現在のように、住宅過剰社会においては、「開発規制の緩さ」が必要とされるのではなく、まちのまとまりを形成・維持できるような「立地誘導」こそが、必要不可欠ではないかと考えます。

 長期的な視点にたって、都市計画が実行性のある形で見直される機会が少なかったことから、結果的に、地方都市に顕著でありますが、各地域において、すでに薄く広がった居住地域があり、どこに居住地のまとまりをつくっていくべきかの線引きが難しくなってきているといわれています。

 このような中、ようやく国は、住宅、病院・福祉施設、商業施設等がまとまって立地し、高齢者をはじめとする住民が、自家用車に過度に頼ることなく、公共交通によって、これらの施設にアクセスできるまちづくりをめざし、「コンパクト+ネットワーク」の形成を推進するための新たな制度として、2014年8月に、都市再生特別措置法を改正し、「立地適正化計画」が策定されたものと承知しております。

 集約型都市構造の実現やまちの利便性、市民生活の向上を目指すことから、都市計画マスタープランにおいて千葉都心蘇我副都心幕張新都心といった三都心を定めていると聞いております。

 策定中の立地適正化計画で、三都心を具体的にどのようにとらえているのか?

 千葉三都心は、都市圏における求心力の向上を図るため、高次都市機能や広域交通機能の集積を活かし、経済、産業、コンベンションなどの広域的、中枢的な役割を担う地区と考えております。
 このため、都市構造上枢要な場所として位置する千葉都心、幕張新都心、蘇我副都心の三都心を本市の都心として機能分担と連携により、魅力向上を図り、都市機能のさらなる集積や更新を促進して参ります。
 そこで、立地適正化計画において、市内及び県都の中心である千葉三都心は、広域的に影響力のある、行政、教育、文化、情報、商業、交通、レジャー等の機能が集積した魅力ある多様な交流拠点として育成していくため、都市全体を見渡し、鉄道等の公共交通の利便性、業務、商業などの都市機能の集積状況、周辺からの公共交通によるアクセスの利便性などを考慮し、都市の拠点となるべき区域を都市機能誘導区域として定めることを検討して参ります。

 千葉三都心の一つである、千葉都心では、千葉駅周辺の活性化グランドデザインを踏まえた千葉駅周辺のまちづくりが進んでおります。
 自家用車がなくても用事をすませることができるよう商業施設や公共施設、病院を計画的に再配置し、歩きたくなる街づくりへの施策の展開については?

 千葉都心における歩きたくなる街づくりへの施策の展開についてですが、  千葉駅周辺の活性化グランドデザインでは、エリア毎の特性を踏まえた上で、まちづくりの方向性を整理しております。
 広幅員の駅前大通りのある東エリアでは、多様な人が集うことから、業務、商業、歴史、文化などの機能について、また、安心な生活の支援を掲げ、近年、再開発ビルであるウェストリオが完成した西エリアでは、商業の他に、医療、健康、福祉などの機能について、それぞれ導入を進めるとともに、公園や文教施設の活用を掲げる北エリアでは、千葉公園の再整備に関連した公共施設の再編などを進めることとしております。

 また、JR千葉駅の新駅舎や駅ビルの開業に合わせ、エリア間をつなぐデッキや、雨よけ施設等を整備することで、歩行環境の改善による回遊性の向上を進めております。
 さらに、先行整備プログラムに位置付けている西銀座周辺の再開発では、歩行者中心の空間を強化することとしており、今年度は、歩行者等の交通を阻害している配送車両の影響や改善策などを確認・検証するため、配送車両が自由に利用できる共同荷捌き場を設置する社会実験を行い、効果の検証などを行いたいと考えております。

 また、中央公園・通町公園の連結強化では、通町公園の再整備計画の検討を進めており、中央公園とのアクセスを充実させるとともに、来街者が安心して歩ける緑の空間の創出に向け、地元と意見交換などを行いながら、計画を策定して参りたいと考えております。

 今後は、先行整備プログラムに位置付けている施設等の整備を進めながら、駅とこれらの施設等とをつなぐ軸の強化が必要と考えており、東エリアでは西銀座地域や中央公園・通町公園、西エリアでは臨海部、北エリアでは千葉公園とのアプローチ性を高めていく取組みについても、検討して参りたいと考えております。

多文化共生のまちづくりについて

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催、インバウンド観光やMICEの取り組み推進、国家戦略特区の指定など、本市は、ビジネスや生活の場として海外からも選ばれる都市を目指して、様々なグローバル化の取り組みを実施されていることを承知しています。

 平成29年3月末現在、本市には、人口の約2.4%にあたる約2万3000人の外国人市民が住まわれています。外国人市民の国籍で割合が多いのは、中国、韓国・朝鮮、フィリピンであり、また、近年はベトナムやネパールの割合が増加し、永住者が全体の約4割を占めているとも聞いております。

 「千葉市多文化共生のまちづくり推進指針」の方向性については?

 全ての外国人市民が、安全・安心に暮らすために必要な支援の一層の充実や、お互いの違いを認め、分かり合い、支え合い、多様性をまちの力にする意識の醸成、さらには、ともに生活を楽しみ、人生をより豊かにする活躍の機会の創出や拡充を推進の方向性と定め、多文化共生社会の実現に取り組んで参りたいと考えております。
 これらの取組みにより、多様性をまちの力にすることで、地域の活性化を促進し、産業や経済の振興、豊かな文化の創出につなげ、本市がさらに住みやすく、世界に開かれた活気にあふれた都市となることを目指して参ります。

 多様性を都市の活力としていく体制と方策については?

 これまでも、多文化共生の推進を図るために、東京2020(ニイゼロニイゼロ)オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた通訳ボランティアの育成をはじめとする国際交流ボランティア活動の促進や、地域交流会の実施など外国人市民と日本人市民が地域社会において繋がり、より豊かに暮らせる取組みを進めてきているところであります。
 今後も、多文化共生社会の構築を、より一層進めていくためには、雇用や教育など、外国人市民の生活に密着した分野における庁内関係部局との連携体制の強化が、ますます重要となります。
 さらには、千葉市国際交流協会をはじめ、全ての市民や関係組織・団体等が、これまで培ってきた知識やネットワーク、蓄積してきた経験や情報、育成してきた人材等を活かして、各自の役割を理解したうえで連携を図り、グローバル化の進展により、常に変化しつつある社会経済情勢を的確に捉えて、取組みを推進することも重要であります。
 多文化共生のまちづくりを担う、行政や市民、各種団体や企業、教育機関などが情報を共有し連携しながら、地域交流会、外国人市民懇談会等を開催するなど、外国人市民と日本人市民が地域での生活や災害時、労働や教育などあらゆる場面で、互いの違いを認め、理解し合い・支え合いながらともに活躍し、これまでになかった新しい価値を生み出せるよう取り組んで参りたいと考えております。