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令和2年 第4回 定例議会

 

千葉市議会第4回定例会において、議会質問に挑戦しました。

①生活困窮者支援について
②成年後見制度について
③新庁舎周辺地域の活用・活性化について
④千葉市郷土博物館について

の4項目を取り上げさせていただきました。


①生活困窮者対策について


生活自立・仕事相談センターの相談窓口への連携強化を踏まえて、各局が行う生活困窮者支援に資する取り組みについて提案しました。
森山通信VOL.37参照

日本は既存の社会保障制度や昭和型の雇用制度に頼りすぎており、1990年代以降の不安定化した経済情勢や雇用情勢に対処できなくなっているといわれ久しいです。
終身雇用制度を主軸とした「社縁」、2世帯、3世帯で暮らし、ひとりが困っても支える力のあった「血縁」、近所の人が困っている状況をすぐに察知できる「地縁」が失われた結果であるとも言われています。

これまでも提唱されているようにセーフティネットは、自助、共助、公助にわたり、何段階にも用意しておくべきと考えます。
特に、その必要性を 今回のコロナ禍で感じ、生活に困窮した方の支援について、既存の支援メニューを拡充させながら、直ちにパッケージ政策としてまとめていくべきと考えます。

今回のコロナ禍において突然に生活困窮に陥ってしまう状況を目の当たりにすると、自助を促す共助、そして共助を支援する公助が必要と強く感じました。

そこで、市民の「共助の取り組み」に広がりの可能性がある、「子ども食堂」を全市的に展開することを考えています。

そこで、行政も市民も一体となった取り組みとして、例えば、公民館など、公共施設をフードドライブの回収拠点とし、そこに、「子ども食堂」の活動の場を広げていくことについて当局の見解を伺いました。

当局からの答弁は「子ども食堂は、有志の運営主体による『食事の提供の場』としてだけでなく、地域の子ども同士や大人との交流を通じて心豊かな子どもを育む効果も期待できる重要な取り組みであると認識しており、これらの活動の場が広がることや、市民に身近な公共施設をフードドライブの回収拠点とし、集めた食材を子ども食堂に提供することは、大変有意義である。
子ども食堂の運営にあたり、公民館等の公共施設を利用する場合は、運営に必要な情報提供を行うとともに、庁内関係所管との連絡調整を行う」とありました。

フードドライブの回収拠点として、「子ども食堂」の全市展開について求めましたが、私は、子ども食堂が、子ども、高齢者、障がい者、引きこもりの方、あるいは、障がいのために困窮している方など、その属性を問わない、共助の仕組みにできるのではないかと考えています。

国においては、本年、令和2年6月に、社会福祉法が改正され、誰もが、そのニーズに合った支援を受けられる地域づくりを目指すとされています。

本人や世帯が有する複合的な課題を包括的に受け止め、継続的な伴奏支援を行う、重層的な支援体制の整備について検討がなされています。

対応する制度がないから対応しないとならない「断らない相談支援」、生活困窮者の就労体験に経済的に困窮状態にない世帯の引きこもりの方を受け入れるなどの「参加支援」、属性を超えて交流できるための居場所の確保など「地域づくりに向けた支援」を行うとされています。

千葉市において、現在のコロナ禍に伴う生活困窮者支援の拡充に向けて求められた要望も踏まえ、地域生活課題の解決に資する支援が、包括的かつ重層的に提供できるよう、その体制整備を要望しました。


②成年後見制度について


成年後見制度については、認知症、知的障がい、精神障がい、発達障がいなどによって物事を判断する能力が十分でない方について、本人の権利を守る援助者を選ぶことで、法律的に支援する制度です。

介護保険制度ができた2000年に同じく制度化されましたが、介護保険制度に比べ、非常に利用につながりにくい制度であることが指摘されています。

成年後見制度は資産の多い方の財産管理をするものといった私的な問題としてとらえられてきた傾向がありましたが、地域福祉の一環として利用が広がることが想定されるべきであると考えます。

現在、親族が後見人となるケースや、弁護士、司法書士、社会福祉士、行政書士といった専門職が家庭裁判所から選任されるケースがあります。
この成年後見人の活動を支援するうえで、重要な視点として財政的支援が挙げられます。

成年後見人の業務の内容に基づいて、家庭裁判所より後見人の1年間の報酬額が決定され、成年後見人には、裁判所からの審判という形で通知されています。

「この額の報酬を受ける権利がある」ということですが、被後見人の資産から、その報酬額を差し引くと、その後の生活が成り立たないと後見人が判断し、自治体に報酬助成を申請するものの、支払い困難とみなされず、報酬助成が不支給となり、結果的に後見人が無報酬となるケースがあると聞き及んでいます。
このようなことでは、資産の少ない方の後見人を引き受ける専門職がいなくなる懸念があります。

そこで、財政的支援としてある報酬助成について、千葉市としての考えについて伺います。

千葉市の報酬助成の現状と課題について伺いました。

当局の答弁は「現在、生活保護受給者等の場合、または対象者の属する世帯が市民税非課税世帯であり、収入および資産基準を満たす場合に、施設入所者は月額18,000円、在宅の方は月額28,000円を上限として助成している。
これまで、市長申し立てに加え、親族申し立ても対象とするなどの拡充を行い、助成件数は、平成26年度の25件から、令和元年度には166件と約6.6倍に増加している。

課題としては、助成要件や助成額が全国で統一されていないため、転出入の際に利用者に不利益が生じる可能性があることや、助成件数の急速な伸びによる財源の確保などがあげられる」とのこと

公明党としても、このような現場の課題について改善策を国に働きかけるところですが、実施主体の市としても、しっかりと国に対しての財政措置の拡充要望や法制度の見直しを申し入れる機会をつくことを求めました。


③新庁舎周辺地域の活用・活性化について


明年の市制100周年の先を見据えた長期的な展望で、新庁舎の立地特性をまちづくりへ効果的に波及できればと考えています。

新庁舎整備調査特別委員会でも、本庁舎の建物についての議論の際に、周辺の土地活用において並行して議論を進めておくべきと考えていたことから、本年9月に報告がありました「千葉中央コミュニティセンターおよび千葉市役所将来活用検討地のサウンディング型市場調査の実施について」に注目をしております。

 今回の千葉中央コミュニティセンターおよび千葉市役所本庁舎将来活用検討地のサウンディング調査実施に向けた背景と調査内容は?

 「背景としては、現在、建設中の新庁舎が完成すると千葉中央コミュニティセンター内に入っている市役所機能が新庁舎に移転することから、同施設内に大幅な余剰スペースが生まれる。また、解体する現庁舎と議会棟を含めて約1ヘクタールの将来活用検討地が生まれる。
そこで、『新庁舎周辺の賑わいの創出』にも寄与する新たな利活用を検討したが、公共施設の集約だけでは限界があるため、民間事業者から提案を募ることとした」

 プールも含めてスポーツ施設や文化活動のために設置されている「千葉中央コミュニティセンターの機能」について、今後の活用に向けた考え方は?
 これまでの本市の取り組みと今後の考えについては? あわせて、各区の保健福祉センターの可視化の取り組みについて、事業の評価分析、今後の方向性とその見える化については?

 「中央コミュニティセンターの施設のうち、体育館、柔道場、剣道場は、令和4年度中にオープン予定の(仮称)千葉公園体育館に集約予定であり、その他の施設は、配置場所、規模、施設の内容等について、プール設置の有無等を含め、サウンディング型市場調査の結果も踏まえ、検討する」

 国道357号上部空間」の活用に向けた検討状況は?

 「市役所や千葉銀行前の上部空間の利活用を検討する、国、県、市と、沿道住民や有識者などで構成する『湾岸千葉地区改良地下立体部 上部空間 整備・活用に関する検討会』において、有効な利活用方法のひとつとして、『ストリートバスケ』や『スケートボード』などの『ストリートスポーツ』が提案されている」

 新庁舎に隣接する「みなと公園」のあり方についてですが、防災活動拠点として広場的な活用を要望しますが、再整備に向けた当局の見解は?

 「再整備の見通しについては、様々な事業の優先度から現時点での予定はありませんが、開設から49年が経過し、施設の老朽化も進んでいるため、再整備は必要と考えており、その際は、庁舎周辺の回遊性の向上や防災機能の強化などの観点からも検討を進める」と答弁がありました。


④千葉市郷土博物館について


千葉市郷土博物館は、中央区亥鼻にある、城郭、お城の外観をもつ建築物で、昭和42年4月に建築され、現在、築53年となっています。
また、もともとは観光施設の位置づけであった「郷土館」から、昭和58年に郷土博物館に移行した経緯があります。

平成23年第4回定例会の一般質問で、郷土の歴史や文化などを知ることを啓発し、郷土博物館をはじめいくつかの博物館に触れながら、市内の博物館等の文化施設および史跡を全体的にとらえ、それらの活用を検討すべきと要望し、その後、平成29年3月に、施設のあり方について千葉市立博物館協議会に諮問され、平成31年に答申が示されました。

答申でまとめられた郷土博物館の目指すべき方向性は、歴史系博物館としての基本機能を十分に確保したうえで、地域資源としての観光的な側面を併せ持ち、本市の過去を検証し未来へ繋げる都市アイデンティティ(千葉市らしさ)が溢れ、継続して発展していく、持続可能な博物館で、品格と憩いの場を兼ね備えた市民の誇りの施設とすべきと。

かなり現状の施設から見るとハードルの高い目指すべき方向性と感じましたが、千葉市の郷土史を市民に伝承する重要な施設であることから、現状のできることと将来のあり方の検討などを立て分けながら、課題の改善等を進め、示された目指すべき方向性に近づけるべきと考えます。

平成31年3月に示された答申では、施設ハード面は、今しばらく使用に堪えうるため、当面の間について、展示替えや部分的なリニューアル等を検討するなど、博物館としての機能の保持に努めていくべきとの意見がありましたが、好評を博している特別展示の開催スペースの確保、バリアフリーの再考など、各フロアーの改修や展示環境の改善すべきです。政令市千葉市の郷土の歴史・文化を研究し展示する施設としての将来のあり方を検討を要望しました。