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令和5年 第3回 定例議会

 

 令和5年・第3回定例会にて、会派を代表して質疑を行いました。

令和4年度決算について

 令和4年度の予算は、極めて厳しい収支見通しの中、財政調整基金の活用額の増額などにより、市民生活に密着した施策に取り組むとともに、各種事業の発展が図られたものでありました。
 そのような中、令和4年度決算は、一般会計の規模が、歳入5,299億円、歳出5,230億円であり、歳入・歳出ともに令和2年度決算に次ぐ2番目の大きさの規模となりました。
 歳入において、市税が予算に比べ増収となったこと、また、歳出においては、最少の経費で最大の効果をあげるよう、計画的かつ効率的な予算執行に努めた結果、55億6,500万円の実質収支を確保できた一方で、市民生活に必要な公共施設の更新などを行った結果、全会計市債残高が対前年比92億円の増となり、1兆円近くを想定していた当初予算時を下回ってはいるものの、12年ぶりの増加に転じたとのことであります。
そうした中で、長引く新型コロナウイルス感染症への対応に加え、物価高騰対策にも機動的に取り組まれ、市民の健康と暮らしを守るとともに、地域経済の回復を図る取組みを実施されてきました。

令和4年度決算をどのように捉え、その取組みの成果をどのように把握し、評価されているのか、あわせて、重点的に予算を配分した事業の評価についてもお聞かせください。

令和4年度決算では、新庁舎や新清掃工場などの整備の進捗により市債残高が増加した。
基金からの借入残高を着実に削減し、市民生活の向上と本市の持続的発展に必要な投資を行いつつ、財政の健全性の維持に努めた決算であると認識している。

重点的に予算を配分した事業として
・健康福祉分野→あんしんケアセンター体制充実、若年性認知症コーディネーター新規配置など。
・子ども・教育分野→産後ケアの拡充、不登校対策取り組み強化など。
・物価高騰対策→下水道使用料等の減免の実施、学校・保育施設等給食費の支援、中小企業支援や公共交通事業者などへの支援を実施した。

新年度の予算編成について

 国においては、物価高に打ち勝つ構造的賃上げの実現、官民連携によるGX、DX、科学技術・イノベーション、スタートアップといった重点分野での大胆な投資拡大、さらには少子化対策やこども政策の抜本的強化、いわゆる「こども未来戦略方針」で示された「こども子育て支援加速化プラン」の内容の具体化が集中的に進められると聞いております。
 分野ごとの施策においては、社会全体でこども・子育てを支える社会の構築や全てのこどもがチャンスを得られる教育機会の確保、多様な価値観が尊重される包摂社会の実現、さらには、未来への投資で最重要な取組みとされる「こども未来戦略方針」に沿った取組みの強化など、限られた財源で、優先度の高い多面的な取組みが求められております。
 その上で、本市においては、今回の新型コロナウイルス感染症パンデミックの振り返りを活かした新興感染症対策の構築はもとより、世界情勢の不安定化による物価高騰という未曽有の危機から市民生活を守る必要があり、非常に難しい予算編成作業であると考えるところであります。

令和6年度の予算編成にあたって、本市における財政の見通しを伺うとともに、予算編成の基本的な考え方について、お聞かせください。

令和6年度予算編成の見通しとしては、少子・超高齢社会の進展や市有施設の更新の対応のほか、千葉市行政情報ネットワークシステム等の更新経費、金利の上昇を含む物価高騰の影響による財政需要が見込まれる。中期財政運営方針を踏まえて予算編成に取り組む。

新型コロナウイルス感染症パンデミック対応の振り返り

 これまで新型コロナウイルス感染症への対応は、本市も含め、全ての自治体で改善すべき課題にぶつかりながら、行政の機能継続に全力で取り組んでこられました。
 昨年度、令和4年度の国のパンデミック対応の主な事項を確認しますと、繰り返される次なる感染拡大の襲来に備えた医療提供体制の確保策や行動制限のあり方などの議論が続いていました。
5月末に、ワクチン4回目接種が、重症化リスクの高い60歳以上と18歳から59歳の基礎疾患がある人を対象に始まりました。 7月には、第7波が発生しましたが、政府の対応策としては、行動制限は行わず、新型コロナと併存しつつ平時への移行を慎重に進めると決定されました。
 9月に入り、オミクロン対応ワクチンの接種が可能となり、11月に厚生労働省は、国産初のコロナ飲み薬「ゾコーバ」を緊急承認されました。
 12月には、改正感染症法が成立し、都道府県が公的・公立病院などと事前に病床確保などについて協定を結ぶ仕組みが導入され、明年、令和6年4月から施行されることになっております。
年が明け、本年令和5年3月には、マスク着用が個人の判断になりました。このあたりは記憶に新しいかと思います。 このような令和4年度から続く政府の取り組みの結果、令和5年5月8日、新型コロナウイルス感染症は、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられ、政府の感染症対策本部が廃止されるとともに、全数把握を廃止、全国約5000医療機関による定点把握に変更いたしました。
 これら国の動向により、本市においては新型コロナウイルス感染症対策費として、ワクチン接種や住民非課税世帯への臨時特別給付金支給事業など66事業に272億円が計上され、長期化する感染症から市民の健康と暮らしを守ってきました。
 さて、今回の新型コロナウイルス感染症が流行する約10年前、新型インフルエンザがパンデミックを引き起こし、医療体制の課題で、厚生労働省の総括会議では、PCR検査体制の強化や感染症対策を担う人材の育成などを求める報告書をまとめられていましたが、残念ながら提言はほとんど実行されなかったと聞いています。
 気持ちはコロナ明けに向かいがちですが、このコロナの経験を忘れる前に、しっかりと振り返り、今回こそは、これまでの経験を、次に活かすべきと考えます。厳しい感染症に負けない社会をつくることが必要です。
 新型コロナウイルス感染症以前に形成した政策は、同感染症の発生とともに前提条件が大きく変化しました。結果、政策の有効性を高めることができなかったとも言われています。
 しかしながら、コロナ禍で経験したことは、データに基づく政策は失敗の確立を低くしたのではないかと感じています。
 非常事態における事業継続計画BCPについては、近年では自然災害の経験から整備が進められてきましたが、今回の新型コロナウイルス感染症パンデミックにおけるBCPへの改定はどのように考えているのか。また、市民の健康危機管理体制の強化も求められるところであります。

新型コロナウイルス感染症パンデミック対応の振り返りについて伺います。
1つに、感染症対策関連費の決算の評価について
2つに、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた事業継続計画について
3つに、新たな感染症への対策および健康危機管理体制の強化について
以上、3点についてお聞かせください。

感染症対策関連費の決算の評価については、感染対策と日常生活の両立を図るため、市民生活の変化や事業活動の変革に対応。地域経済の回復と活性化を図るため、66事業、約272億円の対策を実施した。

新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた事業継続計画については、新型インフルエンザに加え指定感染症、新感染症等についても計画の発動が迅速かつ適確に行えるようにした。

新たな感染症への対策および健康危機管理体制の強化については、新興感染症の発症に備えて、医療提供体制や検査体制等に係る平常時からの対策を盛り込んだ予防計画を策定する。
さらに感染症発生時に保健所や環境保健研究所の現場において、相談受付や健康観察、PCR検査等の業務を円滑に進めるための健康危機対処計画を策定する。

特徴ある千葉市文化の創出と推進について

千葉市美術館の活用について

 特徴ある千葉市文化をけん引する拠点とすべき千葉市美術館の活用について伺います。
 千葉市美術館の建物は、1927年に設立された旧川崎銀行千葉支店の建物を包み込むように設計された特徴的な構造で、「さや堂ホール」と名づけられたレトロな空間が入口脇の1階部分に広がります。
 そのような千葉市美術館がリニューアルオープンしたのは、コロナ禍の2020年、令和2年7月でありました。これまでのスペースに加え、かつて中央区役所が入っていたフロアを拡張し、建物すべてが美術館として生まれ変わりました。私個人としては、この拡張整備を高く評価しております。
 これまで展示スペースの不足や保存上の問題から限られた期間しか鑑賞できなかった浮世絵などの所蔵品を「常設展示室」において、月ごとに展示替えを行いながら展示できるようになっていることや、「こどもアトリエ」では、3か月ごとにアーティストをお呼びし、参加体験型のプログラムが実施され、会派として要望する子育て世代が鑑賞できるアート作品の展示の実施がなされているものと認識しております。
 さらには所蔵品のデジタルアーカイブ化については、令和2年度にコロナ交付金を活用し、5つの作品を超高精細にデジタル化し、さや堂ホールでデジタルミュージアムと称してイベントを実施されたこと、また、令和4年度以降では、所蔵品8000点を4か年かけてデジタル化を進められていることを承知しております。
 これらのデジタル作品は、市美術館ホームページ等で、順次公開していくと聞いておりますが、デジタル作品のさらなる活用に期待するところであります。

千葉市美術館の活用について伺います。
一つに、本市の芸術文化振興の核となる千葉市美術館は、市民と密接に結びついた市民参加型の美術館であることが求められており、千葉市美術館の顔ともなるさや堂ホールについては、市民が親しみやすい、地域に開かれた活用を図っていくべきと考えます。見解を伺います。

千葉市美術館は、あらゆる人が気軽に立ち寄れ、親しく美術と触れ合い、様々な芸術の場となることが重要と考える。今後も工夫を重ねながら取り組みを進める。

二つに、国内外で高い評価を受けている浮世絵をはじめとした、千葉市美術館の所蔵作品のデジタル化が進んでいるところですが、千葉市美術館がある街のイメージを浸透させるため、デジタル化した作品を地域において活用していくべきと考えます。見解を伺います。

地域での活用から市内外での展示機会の拡充など、多くの方々に千葉市美術館の収蔵品の価値を知っていただけるよう取り組みを進める。

千の葉の芸術祭について

 千の葉の芸術祭のような全市的な文化芸術を振興する意義は、大変に大きいと常々考えています。

 文化とは暴力に対する平和への戦い、野蛮に対する人間性の戦いであるとも言われています。 特に、昨今のコロナ禍やロシアのウクライナ侵略など、憂鬱な期間の経験や戦争による不安が広がる世界情勢を見ると、強くそう感じます。
 千の葉の芸術祭については、初回開催から定期開催化に期待しておりましたが、生活の中、身近にこそ、文化芸術を感じられる千葉市になることが必要と考えます。広く市民の共感を得る千の葉の芸術祭の開催を要望するところであります。
 また、千の葉の芸術祭という全市的な文化芸術祭を、本市のまちづくりや観光に活かし、さらには地域経済の活性化に資するものにすべきと考えます。
 昨年度・令和4年度には、千の葉の芸術祭の定期開催化に向けた基本構想を策定し、その後に、実施体制の準備、総合ディレクターの選任がなされたと承知しております。

一つに、前回の千の葉の芸術祭を踏まえた、今後の定期開催に向けた取組の考え方について
二つに、広く市民の共感を得るための芸術祭の展開と総合ディレクターの選考の考え方について
三つに、今後の開催までの具体的なスケジュールについて
以上3点、お聞かせください。

・前回の千の葉の芸術祭を踏まえた、今後の定期開催に向けた取組の考え方については、今後、芸術祭に市民が参加・体験できる機会や場を設ける。市内外からの多くの観客動員を見据えている。観光業や各種産業に寄与するよう民間企業との連携も図りたい。
・広く市民の共感を得るための芸術祭の展開と総合ディレクターの選考の考え方については、芸術祭の展開方針で、特にまちなかで楽しさや賑わいを感じる「フェスティバル」として展開を検討している。
・今後の開催までの具体的なスケジュールについては、今年度に「千の葉の芸術祭基本計画」を策定予定。来年度に、会場となる場所や参加する作家との調整、具体的な事業の展開や積極的な広報展開の検討と着手を予定している。

魅力あるまちづくりと健康まちづくりについて

 まちづくりは、多くのまちの関係者から、まちづくりの発想を得るためにも、様々な立場の住民参加を可能にできているかに注力すべきと考えています。また、都市デザインや公共空間の使い方を工夫し、魅力的で、人間の五感、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の感覚で堪能できるような「まちなか」を目指すべきとも考えます。街中を流れる時間をゆったりとさせるために、単に駅前広場を作ったので、ここで滞留してくださいと言ってもそうなるものではありません。
 例えば、賑わいや居心地が良い場づくりとして、魅力的な街並みや通りを行き交う人々を眺めながら、開放感のある屋外の空間、いわゆるオープンカフェやストリートパークで時間を過ごし、来街者が佇むことができる「まち」になっているかが、居心地の良い空間のある都心であることを感覚的に評価されることがあります。

 オープンカフェのような店舗が連続することで、通りだけでなくエリア全体の集客効果が高まり、魅力的な街並みを形成できます。
 また、マルシェも魅力的なまちを形成します。マルシェは、フランス語で市場を指すようですが、農産物直売や朝市のように捉えて、地域における良好な環境および地域価値を維持向上させるエリアマネジメントの1つの手法として、人々を楽しませてくれます。
 さて、県都千葉市の千葉都心には、千葉駅周辺の活性化グランドデザインが策定されており、千葉駅・駅ビルの建て替えに伴い、西口と東口の再開発事業が進み、中央公園・通町公園の連結強化と賑わい創出、「居心地が良く歩きたくなるまちなか」の形成を進めていると承知しています。
 また千葉駅の北側には、千葉公園が広がり、園内には自転車競技等を行える千葉JPFドーム、市民の体育施設のYohasアリーナ本能に感動をが完成し、既存施設の更新が続いています。
 私は、この千葉駅周辺のグランドデザインを、ブラッシュアップすることで、千葉都心を県都としてふさわしい中心市街地、居心地の良い街にしていきたいと考えています。
 道路や駅前広場といった施設をいかに豊かな空間にしていくかは、総合的に俯瞰する千葉駅周辺の活性化グランドデザインをベースにすべきと考えます。
 これまで、駅周辺のまちづくりで、住民の大きな関心事は、駅出口ごとの周辺の商業施設等の建設の動向や空間の利用方法が、どのようになっていくのかでありますが、これらは往々にして、関係者の活用方法が決まらない限り市民には知らされることもなく、当然、行政計画に盛り込まれることはありません。
 しかしながら、まちづくりの将来像を共有する努力は積極的に行うべきであり、まちづくりの醍醐味は、多くの関係者からまちづくりの発想やアイデアが生まれてくることであると思っています。
 住民参加から参画、そして協働へ、その次のステージとして、より市民がイニシアチブを握ることや更なる情報開示がもたらす効果があると考えます。
 そのようなことから、魅力あるまちづくりを更に進めるためには、千葉駅周辺の活性化グランドデザインを千葉都心の再開発にかかわる全ての関係者にまちづくりのコンセプトや普遍的な思想、価値観を持ってもらう機会を定期的につくりながら、まちづくりを進めるべきと考えます。
 また、最近では、街並みや建物を3次元でデータ化し、それを一般公開する試みが自治体のオープンデータで広がっており、風景をリアルに再現できるデータを官民で共有し、まちづくり、防災や観光など幅広い活用法が想定されていると聞いております。
 さらには、まちなかの大規模開発の際に生まれるオープンスペースの賑わいを高める手法として、芝生やベンチ、無料Wi-Fiを整備する場合、ビルの容積率を上積みする特典を設け、人が集まりやすい設備や環境を整え中心市街地の活性化につなげることを進めていくことも考えられています。

魅力あるまちづくりについて伺います。

1つに、千葉駅周辺の活性化グランドデザインに示す、千葉公園を後背地に持つ北エリア、駅前大通りから中央公園・通町公園に向かう東エリア、臨海部に向かう西エリアと、エリアごとの効果の評価と課題についてお示しください。

さらには、千葉都心の再開発にかかわる全ての関係者にまちづくりのコンセプトや普遍的な思想、価値観など、まちづくりに共通のコンセプトを持ってもらう機会を定期的に開催するなど、まちづくりの方向性の意識統一をすることに対する見解をお聞かせください。

2つに、千葉都心で進める千葉駅周辺における官民連携まちづくりにおいて、これまでのウオーカブル推進とリノベーションまちづくりの取り組みの成果とその評価にについてお聞かせください。

あわせて、大規模な再開発が進む時、似たような店舗やビルばかりにならないよう、そこにしかない空間の特質を残しながらのリノベーションまちづくりの連鎖にも期待しています。
今後の千葉都心におけるウオーカブル推進とリノベーションまちづくりの取り組みの方向性について見解を伺います。

千葉駅周辺の活性化グランドデザインのエリアの評価と課題
・北エリア→ティップスタードームチバやヨハスアリーナ~本能に、感動を。~がオープンするとともに、千葉公園内では民間活力による「賑わいエリア」が着工。各施設の整備効果が北エリア全体に波及するかが課題。

・東エリア→再開発ビル「マインズ千葉」が開業。千葉駅前大通り沿いで建替えが進む。通町公園の中区域の社会実験が進んでいると評価。開府900年に向けた取り組みや三越跡地の開発の支援などが課題。

・西エリア→土地の高度利用、商業・業務、病院など多様な機能の導入が進む。
課題としては、JR千葉支社跡地の複合施設整備の促進など、千葉の顔となる駅前空間の創出や臨海部との連携があげられる。 まちづくりの方向性の意識統一をすることについては、
→民間事業者にグランドデザインの趣旨や内容を共有する機会を充実させます。
街の過ごし方や景観イメージなど、将来のまちの姿を目で見える形で情報発信することを検討する。

今後の千葉都心におけるウオーカブル推進とリノベーションまちづくりの取り組みの方向性については、引き続き、活動主体のネットワーク化に取り組む。官民連携によるオープンスペースの確保等、人々が多様な活動を繰り広げる場の創出や新たな取り組みエリアの追加など、千葉都心全体でウォーカブルなまちづくりを推進し、魅力や価値の向上につなげる。

多様な学びの機会と居場所の提供について

不登校児童生徒への支援等について

 2022年、文部科学省が、全国の学校を対象に実施した調査によると、病気や経済的な理由などと異なる要因で30日以上登校ができず「不登校」と判断された小中学生は、過去最高の24万4940人となりました。前年度対比24.9%増の4万8813人が増加しています。
 また、不登校の要因別では、「無気力・不安」が49.7%、「生活のリズムの乱れ、遊び、非行」が11.7%、「いじめを除く友人関係を巡る問題」9.7%、「親子のかかわり方」8.0%、「学業の不振」5.2%とのことでありますが、このアンケートの結果から、もう一歩踏み込み、子どもたちが何に胸をいためているのかを理解してあげたいと考えるのは私だけではないと思います。 コロナ禍において、「感染拡大の可能性が高い」と保護者が判断し、学校を休む児童生徒について、校長が合理的な理由だと認めれば、欠席として取り扱わないとしたこともあり、もともと不登校気味の児童生徒が、学校を休むことは自然な流れであり、結果、不登校が助長されたのではないかと言われています。
 我が子に突然に学校へ行きたくないと伝えられ、不登校という現実に直面し、思い悩んでいるご家庭が少なくありません。学校に通うことが辛いと感じている子どもは、想像以上に多いと考えます。かつては問題行動の一つと見られがちだった不登校も、今では、どの子にも起こりうると受け止められてきておりますが、公的な機関からの支援が、十分に届いていないとの声を強くいただきます。
 そのようなことから、学校に行けなくなっている児童生徒に、どのような仕組みで支援をしていくべきか、当事者や保護者、学校関係者、さらには、フリースクール等の運営に携わる方々から、様々なご意見をいただきました。本市においては「千葉市における不登校児童生徒が通う民間施設についてのガイドライン」に基づき、フリースクール等に対し補助金が支給されておりますが、このガイドラインに関する声もありました。

 それらを踏まえ、不登校に対する本市の取り組みや見解を伺いたいと思います。

 コロナ禍により新たな生活様式として広まった代表的なものとして、オンラインによるリモートワークやリモート授業があります。家で学習や作業を行ったほうが、性分にあっている児童生徒にとっては、時代が追いつてきたと言われています。 また、自分の部屋からオンラインでコミュニティに繋がることが、これまではオンライン・ゲームだったり、SNSだったわけですが、それがコロナ禍により、学校やフリースクール、学習塾などまで、自身が繋がろうと思えば、繋がる環境が広がりました。 新しい生活様式が広まり、対面授業よりオンライン授業の方があっている児童生徒の意向に沿った学習環境を用意することが、情報通信技術の活用により可能になりました。

 少し飛躍しますが、これからの世の中は、コロナ禍、いわゆるパンデミックを経験したことや、地球環境問題で、パリ協定など気候変動に真剣に向き合わなければならない状況など、これからの、経済のあり方、働き方、そして、教育の方法も、今までと異なる新しい形をとらなければならないと考えます。なかでも、新しい教育方法が、不登校やひきこもりの子どもたちが勉強しやすい方法になっていくのではないかと考えております。

 義務教育の段階における普通教育相当の機会の確保等に関する法律、いわゆる教育機会確保法では、不登校ということは悪いことではないと捉え、不登校児童生徒支援に対しては、学校へ行くことではなく、将来の社会的自立を目的とした支援を行っていくと定められています。
 そこで、本市の不登校児童生徒への支援について伺います。

1つに、昨年度に策定された本市の不登校対策パッケージの評価について
あわせて、家庭と学校の情報共有の円滑化については、どのような取り組みを行ってきたのか。

不登校対策パッケージの取り組みとして、教育センターのライトポートの機能を拡充。ステップルームティーチャーを配置した。
情報共有の円滑化では、教職員への不登校対策パッケージの研修を行った。
各家庭には、不登校対策パッケージを周知した。

2つに、フリースクールとの連携強化についてです。
これからのフリースクールとの連携においては、ガイドラインの見直しも見据えて、市内フリースクールとの意見交換、情報交換が必要と考えますが見解を伺います。

原因や背景が多岐にわたる個々の状況に応じた支援の充実ため、意見交換等を行い「千葉市における不登校児童生徒が通う民間施設についてのガイドライン」の見直しを図る。

一方で、フリースクールへ通う児童生徒の家庭への経済的支援策については、昨今では、いくつかの自治体おいて、フリースクール等を利用促進するための各家庭を支援する補助金制度の創設があります。
本市としてもフリースクールへ通う児童生徒の家庭への経済的支援策を創設すべきと考えます。見解をお聞かせください。

国へ財政措置を要望している。国の動向を注視しつつ拡充に向けて取り組む。

 次に、多様な学びの場についてです。児童生徒が緊張せず普段通りに学習できる環境を提供することが必須です。校内のサポートルーム、オンラインでの支援、或いは、夜間中学に不登校生徒が学ぶことも視野に入れてもよいのではと考えています。

 特に、会派では学校の教室だけでなく校舎にも通えない児童生徒への多様な学びの場の必要性を考え、福島県のオンライン学習支援および相談支援の取り組みや、さいたま市の不登校等児童生徒支援センターが、昨年4月から導入しているメタバース、いわゆる仮想空間による個別学習支援などを視察してまいりました。

本市としても、多様な学びの場の環境整備として、オンライン学習や相談支援の拡充をすべきと考えます。見解を伺います。

オンラインを活用した学習についての好事例を研修会等で共有する。 他の自治体の取り組みを参考にする。

 学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校の考え方についてです。
 先月8月31日付けで、文科省から通知が出され、不登校特例校の名称が、学びの多様化学校となったと聞いております。

 本年4月1日現在で、全国に24校、公立14校、私立10校の設置数で、不登校の児童生徒の実態に応じた教育課程を設け、授業時間の削減などが可能となることが特徴とのことであります。

 「教育機会確保法」では、不登校の子どもも教育から取り残されないように、学びの多様化学校の設置が国と自治体の努力義務とされ、文部科学省も設置を促し、長期的には全国に300校の設置を目標に掲げていると承知しております。

あらためて本市としての学びの多様化学校に対する考え方や設置に向けての検討状況をお聞かせください。

学びの多様化学校の教育上の効果や課題等を把握するために、学びの多様化学校を設置している自治体および当該校等へ調査を実施した。調査結果の分析や当該校への視察を行う。

【2回目】

 2財政運営では、特にコロナ対応という危機事案に対する予算の執行については、令和4年度も感染症対策に係る国・県の補助金や地方創生臨時交付金などの財源を最大限に確保し、適切な執行に努め、市民生活や事業活動へのマイナス影響を軽減したことに対し、評価しております。

 次に、千葉駅周辺の活性化グランドデザインについてですが、千葉公園がある北エリア、千葉駅前大通り・中央公園がある東エリア、臨海部に向かう西エリアと、現在のグランドデザインに示されるエリアについて確認しました。

 長期的な視点に立って取り組まれるものがグランドデザインと考えますことから、コロナ禍を経て、千葉駅周辺活性化グランドデザインの構想エリアを、もう一重拡充すべきではないかと考えています。

 私が追加提案するグランドデザインの拡充エリアとしては、東エリアの追加で1つ目に、要町にある現在の市民会館や千葉市栄町立体駐車場あたりから旧京葉銀行プラザまで、さらに、中央公園から栄町・ハミングロードパルサや葭川沿いのプロムナードを含む、栄町界隈における健全な活性化で、安心して歩くことのできるまちづくりが求められます。このことは長く考えてきました。

 また、東エリアの追加の2つ目は、中央3丁目・美術館通りを活用した旧蓮池界隈を追加すべきエリアとして考えています。 特徴ある千葉市文化の創出と推進に重なりますが、千葉市美術館がある街としての活性化を官民あげて取り組まれることを期待いたします。特徴的なクラシックな千葉が、このエリアに創出されるものと確信しています。

 次に、多様な学びの機会と居場所の提供についての、不登校児童生徒への支援におけるフリースクール等との連携についてですが、答弁では、意見交換や情報交換を行い不登校児童生徒への支援状況を把握するとのことであります。

 学習重視、居場所づくり、野外活動が特徴などなど、様々なタイプのフリースクール等民間施設等がありますが、まずは、千葉市教育委員会として、フリースクールをしっかりとカテゴライズし、教育委員会だけでなく、こども未来局や保健福祉局など関係部局と親和性の良いタイプのフリースクール等民間施設等との連携のあり方等を検討し、既存ガイドラインへの見直しに活かしていくべきと考えています。現行の不登校対策パッケージの計画期間内でのスピード感をもった取り組みに期待します。

 最後になりますが、公明党千葉市議会議員団の令和6年度予算編成に関する要望書を近く市長に提出させていただく予定です。

 私たち市議団が多くの市民の皆様の声を受け止め、集約した要望書であります。
 可能な限り新年度予算編成に反映していただくようお願い申し上げ、会派を代表しての質疑を終わります。

 ご清聴、ありがとうございました。