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令和2年 第3回 定例議会

 

 令和2年・第3回定例会にて、会派を代表して質疑を行いました。

市政運営の基本姿勢について

1、令和元年度決算について

 令和元年度の予算編成にあたっての見通しでは、歳入において、自主財源の根幹を占める市税が、県費負担教職員の給与負担等の移譲に伴う税源移譲による、個人市民税の増の他、大幅な増収見込みがなく、国庫負担金や地方交付税などについても国の動向の見極めが求められました。
 また、市債の活用についても、健全化判断比率などの影響を考慮する必要がある状況でありました。
 一方、歳出では、介護、子育ての分野において、引き続き、少子超高齢社会への的確な対応が求められたことから、多額の財政需要が見込まれ、厳しい予算編成であったと承知しています。
 しかし、そうした厳しい状況が、歳入において、市税が個人市民税の増により増収となったほか、財産収入が土地売払収入の増により増収となったこと、また、歳出においては、効率的な予算執行に努めたことにより、一般会計では58億4000万円の実質収支が確保されました。
 また、財政の健全化の観点では、将来負担の着実な低減として、第3期財政健全化プランの主要目標とされる主要債務総額の削減が目標を超える結果となり、また、市債残高についても一定の削減が図られたとのことでありました。

 そこで、市長は、令和元度決算状況をどのように捉え、予算を重点的に配分した第3次実施計画事業の推進として掲げた「医療・介護・障がい者支援」分野、「子育て・教育」分野、「都市づくり・地域経済活性化」分野、さらには、その他の重点配分事業として、介護、障がい者支援、子育て、教育、さらには生活困窮者対策などへの、専門的人材の活用による支援体制の強化についての取り組みの成果を、どのように把握し、評価しているのか伺います。

 令和元年度決算では、最重要課題として取り組んでいる財政健全化は、健全化判断比率が引き続き改善し、市債残高も9年連続で削減するなど、着実な推進が図られたと考えております。
 また、予算を重点的に配分した分野についても、見込んでいた成果を概ね挙げることができたと考えております。
 主な事業について申し上げますと、健康づくり・医療では、受動喫煙対策として、飲食店、事業所への個別訪問による制度周知・啓発を延べ約8,000件実施するとともに、救急医療確保対策として、待機病床数を1日あたり2床から4床に拡充するなどの取組みを推進したほか、介護では、あんしんケアセンターの相談体制の強化や、認知症初期集中支援チームの増設など、地域包括ケアシステムの構築に向けた取組みを推進したところです。
 子育て・教育では、幼児教育・保育の無償化を実施するとともに、待機児童の縮減に向けた取り組みとして、民間保育園の整備などにより829人分の定員や、子どもルームの整備により398人分の定員を確保したほか、小中学校普通教室への冷暖房設備の設置を進め、今年度から供用を開始しております。
 安全・安心なまちづくりでは、令和元年房総半島台風をはじめとした一連の災害からの復興に向け、施設等の復旧整備を行うとともに、本市独自の生活再建に係る支援金を支給するなど、被災者支援に取り組んで参りました。
 また、新たな浸水想定区域や避難所等の防災情報を盛り込んだWEB版のハザードマップを作成するとともに、雨水対策重点地区を中心に、浸水対策を強化して参りました。
 地域経済の活性化では、クラウドファンディング活用促進に取り組むなど、中小企業支援の充実を図るとともに、市内農業の成長産業化に向けて、新たに農場整備に係る経費を助成するなどの取組みを推進したところです。
 このほか、障害者施設の相談員や民間保育園等の巡回指導員のほか、スクールカウンセラーや部活動指導員など、福祉・子育て・教育の分野を中心に専門スタッフを増員し、市民生活の支援の強化に取り組んで参りました。
 以上、成果を申し上げましたが、今後も、事業の効果を的確に検証し、効果的に事業を推進することにより、市民生活の向上や魅力・活力のあるまちづくりを進めて参ります。

 第3期財政健全化プランに掲げた主要債務総額の削減に関しては、取り組みの具体的な成果とともに、その評価についてもあわせてお聞かせください。

 令和元年度の主要債務総額は、前年度と比較して83億円減の4,673億円となり、適正規模の市債発行、債務負担行為設定の抑制、基金借入残高の削減に努めたことから、現段階で、3年度までの削減目標を超える結果となりました。
 取組みの具体的な成果ですが、建設事業を厳選することなどにより、前年度と比較して、建設事業債等残高は40億円、債務負担行為支出予定額は33億円削減したほか、基金借入金については、実質収支を確保したうえで10億円返済し、借入残高を削減したところです。
 また、国民健康保険事業累積赤字については発生しておりません。
 以上のように、第3期財政健全化プランの主要目標である 主要債務総額の削減については、目標達成に向け順調に進捗していると認識しておりますが、引き続き、持続可能な財政構造の確立を目指し、3期プランに基づく取組みを進めて参ります。

2、新年度予算編成について

 新型コロナウイルスの感染拡大を乗り越え、引き続き、ウイルスと適切に向き合いながら被害を最小限に抑える努力をする、ニューノーマルな市民生活を支える市政運営が求められます。こうした新型コロナウイルス感染症の影響が長引く状況において、大幅な税収減だけが明らかであります。

 令和3年度の予算編成に当たっては、非常に困難ではありますが、現時点における本市財政の見通しを伺うとともに、編成の基本的な考え方についてお聞かせください。

 新年度の予算編成にあたっての財政見通し及び編成の基本的な考え方についてですが、
 令和3年度の財政見通しにつきましては、我が国の経済が、新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて厳しい状況にあることから、今後、国内外の感染症の状況や経済の動向を踏まえ、市税収入などの本市歳入に与える影響を十分に注視するとともに、歳出においても、感染症の影響による財政需要の増に留意する必要があると認識しております。
 このため、新年度の予算編成にあたっては、国の動向を十分に把握し、本市予算への的確な反映に努める一方で、将来の税源涵養など一層の歳入確保を図るとともに、施策目的の達成に真に必要な事業の精査や手法の見直しを徹底するなど、効果的・効率的な行財政運営を基本に取組みを進めて参ります。
 また、第3期財政健全化プランに掲げられた主要債務総額の削減や建設事業債の発行上限額の目標を確実に達成するよう 財政健全化路線を堅持しつつ、新型コロナウイルス感染症による税収減や対策経費の増に対応するため、これまでに一定程度 確保している財政調整基金を機動的に活用するなどし、 影響に苦しんでいる市民の暮らしや事業者の経営に十分に配慮し、予算編成に取り組んで参ります。

3、新基本計画について

 平成24年度から令和3年度までの10年間を計画期間とする現行の新基本計画において、「実現すべきまちの個性」として、「未来をつくる人材が育つまち」、「みんなの力で支えあうまち」、「訪れてみたい・住んでみたいまち」の3つの個性を掲げ、それらの実現に向けた、総仕上げの「第3次実施計画」が推進されております。

 また、現計画が、残り1年半を切ったことから、並行して次期基本計画の策定作業が行われているとも伺いました。
 策定の全体的なスケジュールとして、令和3年4月までに、次期基本計画・素案を作成し、来年度、令和3年度に各段階での審議を重ね、そして、令和4年度に入り、パブリックコメント等を経て、議案として上程されるとのことであります。

 これまでの10年間の市政運営の総括となる現行新基本計画の評価を、しっかりと行っていただくとともに、次期基本計画策定の方向性を指し示し、さらには、コロナ禍を乗り越えるための取り組みについては、連続性を持たせた取り組みで、打って出なければなりません。

 そこで、現行の新基本計画の進捗と現時点における評価について、および次期基本計画の方向性について伺うとともに、あわせて、長期化するコロナ禍に立ち向かう取り組みについての考えをお聞かせください。

 新基本計画においては、人口減少、少子高齢化等の人口構造の変化、環境問題やグローバル社会への対応、自立分権型都市経営を、まちづくりにおける重要な課題として捉えた上で、まちづくりのコンセプトを「わたしから!未来へつなぐまちづくり」と定め、長期的な集約型都市構造への転換や、総合的な施策体系に基づく参画と連携によるまちづくりを積極的に進めてまいりました。

 新基本計画の進捗状況把握や評価、分析を行い、次の改善行動へと結びつけるため、政策評価を実施しており、本年6月に第2次中間評価を公表したところですが、施策の進捗状況を示す客観指標131項目のうち、約6割にあたる81項目において概ね達成するとともに、市民アンケートによる生活実感指標を設定した12分野のうち、「緑と花のあふれる都市空間を創る」、「こどもを産み、育てやすい環境を創る」、「高齢者が心豊かに暮らせる長寿社会を創る」など、約6割にあたる7分野で肯定的な評価が得られていることから、全体として概ね順調に進捗しているものと認識しております。

 長期化するコロナ禍に立ち向かう取組みについてですが、
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、市民生活や地域経済に甚大な影響をもたらしており、これまで緊急的な対応をはじめ、医療体制の強化や市民生活・地域経済の維持等に向けた様々な対策を講じているところですが、現時点で感染症の 明確な収束時期が見通せず、地域経済にも大きな影響が生じていくであろうことが予想される中、今後、複数年にわたる、  継続的な取組みが必要になるものと考えております。
 長期化するコロナ禍に関して、多岐にわたる取組みを着実かつ迅速に推進するため、第3次実施計画終了後の令和3、4年度の2年間については、実施計画に替えて、感染拡大防止、  新たな生活様式の定着や雇用環境を含めた地域経済の回復などの施策を集約した政策パッケージを策定し、本市の総力をあげて新型コロナウイルス感染症に立ち向かう取組みを実施してまいります。
 次期基本計画の方向性についてですが、
 次期基本計画は、市制100年を迎える本市がこれまでの本市のあゆみを振り返りつつ、次の100年に向けた第一歩を踏み出す重要な計画であり、現行計画の取組み、そして本市がこれまでに育んできた特性を継承・発展させていくことが肝要であると考えています。
 計画の方向性については、現在、基本計画策定本部等において計画素案の作成に向けた検討を進めているところでありますが、今後の人口減少や先端テクノロジーの進展、地球環境の変化等を捉えつつ、「ちば共創都市圏」における拠点都市としての本市の役割を十分に踏まえ、スマートなまちづくりやSDGsに示される持続可能な社会の構築に向けて取組むとともに、頻発する自然災害や新型コロナウイルス等の感染症への対応など都市の強靭化を図るほか、誰もが自分らしく活躍できる環境を整え地域力をさらに高めていく必要があると考えており、これらを含め多様な視点をもって計画素案の作成を進めてまいります。