森山かずひろHPヘッダー

令和3年 第1回 定例議会

 

               

 公明党千葉市議会議員団を代表し、本定例会に提案されました議案第9号・令和3年度千葉市一般会計予算案をはじめ、議案第1号から第8号、議案第10号から第48号までの各議案に賛成し、発議第1号並びに令和3年度千葉市一般会計予算等の組み替えを求める動議)に反対の立場から討論を行います。

 さて、本市におきましては、令和元年度の一般会計の決算において、市税や財産収入の増収などにより、58億4,000万円の実質収支を確保するとともに、第3期財政健全化プランの主要目標である主要債務総額の削減は、令和3年度までの目標を超える結果となり、市債残高は、9年連続で削減されたところであります。

 そうした取り組みにより、実質公債費比率は12.9%、将来負担比率は138.3%と、引き続き改善が図られたところでありますが、病院事業における累積欠損金や、基金借入残高などの債務は依然として多額であるなど、未だ本市の財政は予断を許さない状況にあり、引き続き財政健全化に向けた取り組みが必要であると考えます。

 また、昨年度末から急速に拡大した新型コロナウイルス感染症に対しては、国や県と連携しつつ、全庁を挙げて対策に取り組んでいるものの、医療提供体制は逼迫し、未だ市民生活や事業活動に深刻な影響を及ぼしております。

 こうした中、提案された新年度予算は、準骨格予算として、新市長の政策を実現できる余地を残しつつ、新型コロナウイルス感染症に切れ目ない対策を講じるもので、大変難しい予算編成であったと推察されます。

 そうした状況を踏まえ、新年度予算案を審議するにあたっては、市長の提案理由の説明やわが会派の代表質疑に対する答弁、さらには、予算審査特別委員会の審議などを通じ、財政健全化への取り組みとともに、市民福祉向上のための生活者の視点に立った施策展開が予算に適切に反映されているかなどについて慎重に検討してまいりました。

 その結果、国の経済対策について、補正予算も含め適切に対応しつつ、新型コロナウイルス感染症対策を初め、防災・減災対策の強化や医療・健康づくりに向けての取り組み、子育て支援施策の推進、教育環境の充実など、市民生活向上への施策が進められていること、あわせて、地域経済の活性化や都市の魅力づくり、東京2020オリンピック・パラリンピック大会開催に向けた諸施策など、まちづくりへの取り組みも展開されていることが確認できました。

 

 さらに、市民の意見や要望を集約した公明党千葉市議会議員団の令和3年度予算編成に関しての要望に対し、一定の取り組みがなされていることから、新年度予算案を評価すべきものと判断いたしました。

 以下、主な施策に対して意見と要望を交えながら評価を申し上げます。

 初めに、財政運営について申し上げます。

 予算編成にあたっては、自主財源の根幹をなす市税が、新型コロナウイルス感染症の影響による個人所得や企業収益の落ち込みから大幅な減少が避けられず、リーマンショック時を超える減収も懸念されることに加え、財産収入などの臨時的な収入も多くを見込めない状況にある一方で、新型コロナウイルス感染症へ対応するための新たな財政需要とともに、少子・超高齢化社会の到来や保育・子育て環境の向上に伴う社会保障関係経費の増加が見込まれていたことから、約160億円の収支不足への対応となり、極めて厳しい財政見通しでありました。

 こうした中、歳入確保策として市税等の徴収対策の強化や市有資産の有効活用などを図り、歳出削減策として事業費の精査等を行うなどの取り組みを進めるとともに、地方財政計画を踏まえた臨時財政対策債の増額や財源対策として財政調整基金からの繰入れなどにより、収支の均衡が図られたところでありました。

 その結果、令和3年度予算における市債残高については、臨時財政対策債の増額により、全会計ベースで再び1兆円を上回る見込みであるものの、主要債務総額については、第3期財政健全化プランの目標範囲内に収まる見込みであることなど、財政健全化に向けた取り組みを進めるとともに、コロナ禍で、困難な状況を迎えている中、市民生活に密着した施策への取り組みがなされていることや、これまで積み立ててきた財政調整基金の活用額を増額し、事業見直しを回避したことは一定の評価をするものであります。

 しかしながら、先ほども述べましたように、依然として財政運営上の課題を抱えており、また、新型コロナウイルスの影響による税収減が長引くことも懸念される中で、今後、新庁舎建設や新清掃工場の整備、公共施設等の老朽化対策など、多額の財政需要を要する事業が進んでいくこととなります。

 このような状況においても、本市の財政の硬直化を招くことのないよう、第3期財政健全化プランの取り組みを着実に進めるとともに、自主財源の確保に向け、市税等徴収対策や企業誘致などの税源の涵養策に一層力を入れていただくよう求めるところであります。

次に 新型コロナウイルス感染症対策について申し上げます。

 新年度では、まず、感染者等のへの対応として、病床確保や軽症者等の宿泊療養施設の確保、さらには軽症者等の在宅療養支援、医療機関および保健所・環境保健研究所でのPCR検査の実施などが計上されました。あわせて、宿泊療養および自宅療養の感染者の毎日の健康観察の体制強化や合理化の取り組みもなされたことは評価していますが、もう一歩踏み込んで、往診に対応する医療機関の体制も検討すべきではないかと考えます。

 次に、感染拡大防止対策では、保育施設、子どもルーム、アフタースクール、児童養護施設、病児・病後児保育施設を対象とした、マスク・消毒液等の購入に係る経費を助成、さらには、特別養護老人ホームや介護老人保健施設には、簡易陰圧装置の設置に係る経費の助成、地域公共交通事業者の車内感染防止対策に係る経費などは、これまでも施設等でクラスターを発生させないとの高い意識レベルのもと感染防止の取り組みを継続するために必要と判断したところであり、特に簡易陰圧装置の設置は現場からの声への対応でもあることから評価します。

 感染対策の最後にコロナ禍の市民生活支援としては、妊産婦の総合対策で、出産前の新型コロナウイルス検査費用の助成や、在宅高齢者・障がい者へのサービスとして、濃厚接触者となった高齢者・障がい者への在宅サービスの継続を支援するため、サービス提供事業者等に対して支援金を支給することが計上されました。市独自のコロナの影響を受ける分野への配慮を工夫された支援と考えます。

 

 また、ワクチン接種については、国の動向に注視し、全体像をつかみ市民が安心して接種につながる取り組みを計画することが求められます。接種は医療機関における個別接種を主体とし、補完的に集団接種を実施する方向で検討とのことであります。また、3月1日にコールセンターが設置され、副反応等に関する相談では、市民への不安を取り除く適切な対応で、安心安全なワクチン接種が混乱なく実施されることを望みます。

 

 次に、危機管理および防災減災対策について申し上げます。

 災害時要配慮者個別支援計画作成促進(モデル事業)について、災害時における要配慮者の支援体制構築を促進するため、平時から要支援者と関わりのあるケアマネージャーと連携し個別計画作成をモデル的に実施します。防災と福祉の連携は、これまで会派として要望してきたところであり、早急に本格的な事業化に向け、しっかりと取り組むことを要望します。

 防災減災対策については、会派として、これまで情報弱者への取り組み、特に災害時の緊急情報を市民にいきわたらせる取り組みを求めてきました。

 防災行政無線だけでなく、あらゆる情報発信媒体を検討されていく中で、今般、コミュニティFMラジオ局との連携を高く評価しております。

 また併せて、この機会に緊急情報自動起動式ラジオを町内自治会長等へ配布することも検討するとのことで、防災行政無線が聞き取りづらく、SNS等の扱いに不慣れな方への購入助成や普及啓発を通して、緊急情報発信体制を拡充することを求めます。

 また、浸水・冠水対策については、河川整備、排水施設・都市下水路整備、雨水貯留槽設置、調整池の対策、公共下水道管渠布設、急傾斜地崩壊対策が行われます。
 特に、これまで冠水履歴のある雨水対策重点地区の浸水対策を強化する取り組みを評価します。

 次に、スマートシティの実現に向けた取り組みについて申し上げます。

 近年加速度的な発展を見せるテクノロジー等を活用したスマートシティは、自治体のみならず社会全体に求められているものと認識しています。推進にあたっては、先端技術を導入することが目的とならないよう、しっかりと市の課題解決や市民生活におけるサービス向上につながっていくことを注視してまいります。
新年度は市民アンケート、市民や企業・団体との意見交換、市内大学における若者からのヒアリングを行い、社会を構成される様々な主体とコミュケーションを図り推進計画案を作成されるとのことであります。スマートシティの具現化に向けた全庁横断的な取り組みに期待します。

 次に、超高齢社会を踏まえた施策の拡充について申し上げます。

 高齢者人口の増加に対応するため、あんしんケアセンターに包括3職種の増員が行われます。また、生活支援コーディネーターの配置強化については、区単位の配置に加え、あんしんケアセンター単位の配置で拡充されます。生活圏に密着した地域包括ケアシステムの構築を評価します。

 また、待ったなしの課題で、介護人材の確保としては、新年度事業でも、介護職員研修受講者支援、介護職員交流会、合同就職説明会、介護に関する入門的研修、介護キャラバン隊、介護ロボットセミナー、外国人介護人材受入れセミナー、外国人介護人材向け日本語教室などが計上されます。
 さらに、新規事業では、大規模修繕の際にあわせて行う介護ロボット・ICT導入支援、介護職員の宿舎施設の整備費助成が実施されます。2025年からの介護需要に必要な人材確保ついて、介護従事者の志だけに頼るのではなく、介護の仕事・職場の負担軽減策、魅力ある職場づくり、人の温かみを感じる介護ができることなどが必要と考えます。
また、介護職員の就業形態が非正規職員に大きく依存していることや介護に対するマイナスなイメージを凌駕する職場環境と処遇改善が求められています。新年度に予算化された事業である研修や資格取得、介護ロボットの導入等が、本来の目的の介護人材確保と定着につながっていくことを求めます。

 次に、セーフティネットおよび地域福祉の推進について申し上げます。

 生活保護世帯等に対する学習支援の拡充と相談窓口の拡充が行われます。生活困窮者自立相談支援では、相談窓口となる生活自立・仕事相談センターを新たに緑区に設置、これで市内6区中、5区の設置になります。また、日常生活自立支援では自立相談支援員およびアウトリーチ支援員の増員、各区の社協にはコミュニティソーシャルワーカーの配置強化も図られます。

 現在、コロナ禍の影響を受けて貧困に苦しむ方々が顕在化しています。これまでは貧困であっても、何とか生活できていた方が、いよいよ立ち行かなくなっています。また、中には、これまで生活困窮とは無縁の普通に働いていた人がいます。仕事があれば働いて生活ができる方に、いきなりの生活保護制度はなじみません。

 国は、地域共生社会関連法が本年4月から施行されることにより、介護や貧困など複合的な問題を抱えて苦しむ住民に一元的に対応する「断らない相談」を、本格的に全国へ設置していくこととしています。補助金の使途に拘束されない新たな交付金の創設で、複数の部署にまたがる「断らない相談」窓口への財政支援となるとのことです。

 あくまで窓口設置は各自治体の任意となっていますが、複雑に関係する課題をもつ相談者については、福祉、介護、子育て、障がい、就労支援など、多面的な支援施策が必要との考えのもと、千葉市として、積極的に「断らない相談」窓口の設置に向けて既存の生活困窮者自立相談支援などの相談窓口の拡充に取り組むべきと考えます。

 次に、医療・子育て支援について申し上げます。

 不育症・不妊症対策については、この間、会派として様々な提案をしてまいりました。 特定不妊治療の経済的負担を軽減し、治療を後押しするため所得制限を撤廃するほか、助成額、助成回数、助成対象者が拡充されます。

 現在、不妊治療を受けている夫婦は5.5組に1組との割合が示されるなか、国が2022年4月に保険適用を実施する方針を示しましたが、適用まではまだ時間があり、本市として独自の支援を望むところです。

 また、新生児聴覚検査費用助成については、全ての新生児が聴覚検査を受けられるように公費助成の実施を求めてきました。やっとの感はありますが、新年度、千葉県が県内統一実施体制による公費負担制度に合わせて、千葉市で実施することを評価します。

 幼稚園での預かり保育への支援を拡充するとともに、ひとり親家庭への生活費安定を図るため、養育費確保に係る包括的な支援を実施するほか、医療的ケアが必要な児童への保育需要について受け入れ体制が強化されます。

 

 また、児童相談所では児童相談システムの刷新で、国が構築する要保護児童等に関する情報システムと連携が図られます。稼働開始は令和4年度からとのことですが、痛ましい事件も後を絶たない深刻な状況があり、児童虐待の発生予防・早期発見、児童虐待発生時の迅速・的確な対応が求められます。

 システム刷新前においても、要保護児童等の情報を速やかに把握することや、関係機関における情報共有を徹底し、適切な支援につなげていくことができるよう要望します。

 また、里親制度の取り組み強化については、里親養育包括支援が実施されます。里親・里子との関係構築のためにも一定の時間が必要であることで、新年度からは3か年事業として、長期的な視点から実効性の高い支援が推進されます。これまでの里親制度の推進事業の成果を踏まえた取り組みを評価します。

 次に、障がい者施策について申し上げます。

 障がい者施策では、発達障がい者に対して、対面相談が困難な場合などへの対応で、オンラインでの相談受付体制を整備することや、桜木園に携帯型エックス線撮影装置を導入し、人工呼吸器を使用する方の受け入れ体制が強化されることとなりました。

 また、障がい者雇用の促進でチャレンジドオフィスのスタッフおよび支援員の増員と、障がい者福祉施設製品の利用促進では、「千葉市の障害者就労施設等からの物品等の調達の推進を図るための方針」を定め、障がい者就労施設等の受注機会の確保拡大、就労の促進を評価します。

 次に、安心・安全な市民生活に向けた施策について申し上げます。

 空き家対策については、空き家対策計画に基づき、空き家等の解消に向けた具体的な取り組みで、空家等情報提供制度により空き家所有者と利用希望者のマッチイングを引き続き推進されます。

 また、おくやみコーナー設置については、市民からの要望も多く、会派で要望してきたところです。死亡に伴う各種手続きに関する遺族の負担を軽減するため、申請書代行作成等の遺族の支援を行う専用窓口が緑区役所にモデル設置されます。モデル設置を検証し、速やかに全区へ展開することを要望します。

 消費者対策として、迷惑電話等防止機器設置助成が65歳以上の世帯を対象に行われます。電話de詐欺、特殊詐欺についての対応として様々、周知啓発してきていますが、まずは、知らない番号からの電話にすぐに出ないことで、詐欺や悪質商法の被害にあう機会自体を減らせると、その効果に期待しています。

 次に、環境施策について申し上げます。

 環境保全対策についてですが、将来にわたる持続可能な豊かな環境の実現を図るため、環境基本計画の策定を進められます。また、千葉市気候危機行動宣言を踏まえて、再生可能エネルギー等の導入の推進や気候危機に対する行動変容を促進されるとしています。

 次期環境基本計画の策定においては、気候危機等、今ある課題に的確に対応し、SDGsの達成に貢献するような各種施策の検討を進めていただくことを期待します。

 また、地球温暖化対策については、昨年11月に発出した「千葉市気候危機行動宣言」を踏まえ、新たに、市民の気候危機の意識共有と行動変容を促すための、ちばし気候危機行動キャンペーンを実施することとしており、市民・事業者などすべての主体がともに喫緊の課題である気候危機に立ち向かう行動を進めることにより、将来世代も安心して暮らせる持続可能なまちにつながることを期待します。

 また、ごみ処理行政については、これまで収集体制の見直しや家庭ごみ手数料徴収制度の導入、さらには剪定枝等の再資源化事業などの積極的な取組みにより、ごみの減量・再資源化の面で着実に成果をあげているものと考えます。

 来年度予算についても新規事業を含め概ね適切に編成されており、コロナ禍等に配慮しながら着実な執行を要望します。

 調査費等が計上されている、本市のごみ処理の基本方針となる次期一般廃棄物ごみ処理基本計画の策定に向けては、現計画で明らかになった、生ごみ減量に向けた課題や社会的な諸課題に対応できる計画となるよう要望します。

 次に、都市の活性化に向けた取り組みについて申し上げます。

 都市機能の更新の時期を迎え、3都心を中心に再開発整備等が進められています。
まず、千葉都心では、「千葉駅周辺の活性化グランドデザイン」の先行整備プログラムに位置付けられている中央公園・通町公園の連携強化で事業用地の取得が進められます。

 現在の用地取得率が14%で、令和5年度末に完了させる見込みとのことですが、見通しの甘さが否めません。当該先行プログラムの計画の見える化が必要と考えます。

 また、千葉駅周辺再開発では、千葉駅東口地区市街地再開発および新千葉2・3地区市街地再開発が、ともに令和4年度の竣工を目指して整備されます。

 県都千葉市の中心駅であるJR千葉駅周辺の整備は、市民県民から期待されるものであります。これまで「千葉駅周辺の活性化グランドデザイン」に基づき整備を進めてこられましたが、多くの市民にグランドデザインを知ってもらう取り組みも必要ではないかと考えます。

 本年、市制100周年を迎えていることを契機にして、千葉都心の未来を発信する機会を、さまざまな宣伝媒体を使い、希望の広がる千葉都心のまちづくりの広報・周知活動を要望します。

 幕張新都心では、幕張新都心拡大地区新駅設置とJR海浜幕張駅改札口新設の予算が計上されます。幕張新都心の都市機能の強化と交通機能の分散化を図るための新駅整備は促進すべきと考えます。また、海浜幕張駅の改札口を新設するとともに、バス停留所等の整備については、新しいまちづくりに求められる交通需要や機能も含めて検討されることを要望します。

 公園・緑地の整備についてでは、特に、千葉駅周辺のまちづくりに大きな影響をおよぼす千葉公園の再整備に注目しています。

 新年度には公園内の道路擁壁工事などを行う予算が計上されています。また、公園内には、整備が進む、仮称千葉公園ドーム整備での250競輪の開催、さらには、公園体育館、千葉市武道館、中央コミュニティセンター体育施設の3つの老朽施設を集約する仮称千葉公園体育館への建て替えなど、大きな施設の更新も行われます。

 

 本市を代表する大規模公園ですので、より多くの市民に還元できるよう、アクセス性改善と施設の更新等で、快適な公園内環境を創出し、集客の増加および魅力の向上に取り組む公園づくりを要望します。

 次に、地域経済の活性化について申し上げます。

 コロナ禍を踏まえた地域経済支援策の充実強化を求め、人手不足が生じている分野に人材の移行を促す取り組みで運送業就労支援や市内中小企業のコロナによる環境変化に適応する事業変革として、業態転換や新分野に進出に係る設備導入費が支援されます。
 長引くコロナで、低迷する地域経済の活力を取り戻す、寄り添った支援とすることを要望します。

 市の観光施策については、これまで千葉の魅力の掘り起こしと身近な観光施策が展開されてきたと承知しています。しかしながら、現状のコロナ禍の長期化を踏まえると、今まで通りの観光振興だけでは太刀打ちできなくなっています。

 新年度は、観光コンテンツ造成で、新しい手法や新しいコンテンツを取り入れること、組織体制の整備が検討されます。千葉市の観光イメージをエリアで分ける、海辺、里山、都心部において、具体的な新たなコンテンツが展開されることを要望します。

 次に、病院事業について申し上げます。

 新病院基本計画策定および基本設計では、海浜病院に代わる新病院の整備に向けて基本計画と基本設計が実施されます。

 新病院建設が始まっていく中で、病院長と病院事業管理者の兼務については、個人への負担が大きいのではないかと懸念しています。速やかに病院長と病院事業管理者の役割を分担すべきではないかと考えます。

 次に、教育関係の施策について申し上げます。

 学校教育の充実として、まず、専科指導のための講師の配置で、専門性の高い指導を実施するとともに、担任教員が児童と向き合う時間を確保するため小学校の専科科目の図工、家庭、体育の講師を増員されます。

  

 また、スクールサポートスタッフの配置は、全ての市立小中高・特別支援学校へ大きく拡充され、教員負担軽減を図るため、データ入力等を行うとのことです。会計年度任用職員として採用し、年齢は問わないようであります。コロナ対策面だけでなく、教員の働き方会改革の一環としての拡充と承知しています。学校による差が生じないよう丁寧な取り組みを要望します。

 ICT支援員配置は、GIGAスクール構想の実現により整備された児童生徒用端末などのICT機器の活用を推進するため、現在2校配置を大幅に拡充して165校に配置されます。

 高速通信ネットワークの環境下では、授業中に児童生徒同士の情報共有が可能となります。そして個別に端末があることで、黒板等を用いた一斉学習だけでなく、一人一人の理解度に応じた個別指導もしやすくなることが期待されています。

 また、さまざまな理由で学校に登校できない子ども達が、授業に参加したいと希望する場合、本人の教室の席に端末を設置してインターネットにつなぎ、あたかも自席に座って授業を受けているかのような参加も可能になるのではないかと考えます。このような新しい学び方につながるようなICT支援員の活躍に期待します。

 次に、フリースクールとの連携では、不登校児童生徒を支援するため、フリースクールと学校が連携することに向けての取り組みが強化されます。具体的には、今年度事業のインターネットの活用および実践活動を取り入れた学習支援に加え、新年度は、新たに進路学習支援が追加されます。

 また、年度内には、千葉市独自で、フリースクール等「民間施設についてのガイドライン」を策定されるとのことですので、各学校、家庭、フリースクール等民間施設に、ガイドラインの内容を周知し、学校へ通えない子ども達の支援につながる連携を構築することを要望します。

 生涯学習の推進については、図書館管理運営で、本市の図書館における電子書籍の導入が行われます。コロナ禍の中、図書館へ行かなくても書籍を借りることができるだけでなく、障がい者、高齢者、育児世代など、外出が困難な方々が、より一層読書を楽しむことができるといった、市民にとっての利便性が向上すると考えます。

 また、容量がひっ迫しつつある自動出納書庫の延命に効果がある、さらには汚損や破損、延滞の恐れがないといった管理上のメリットもあります。

 電子書籍は、今後の新しい生活様式に沿うものであり、来年度が最初のステップとし、利用動向を踏まえながら、今後さらなる拡充を検討していくことを要望いたします。

 最後に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた取り組みについて申し上げます。

 開催まであとわずかとなりました。IOCや国の動向を注視し、オリンピック・パラリンピック開催に向けた取り組みを粛々と進めることはもとより、レガシーとなる共生社会構築や文化プログラム、スポーツ・障がい者スポーツ振興等への取り組みを要望します。

 具体的には、パラスポーツや障がい者への理解を深めるため、引き続き、障がい者アスリートの学校訪問や、オリパラ教育では多様性理解や国際理解の力を育む学校現場の取り組みが行われます。

 また、文化プログラムとしては、千の葉の芸術祭が開催されます。千葉市の資源や魅力ある文化力を内外に発信する好機ですので、十分に市民への周知、広報活動を行い、しっかりと取り組んでいただくことを要望します。

 以上、さまざま述べてまいりましたが、公明党千葉市議会議員団として、令和3年度予算案に対して、意見、要望を述べたものの、賛成の意を表します。

議決後は、引き続き、命と暮らしを守るため、油断なく新型コロナウイルス感染症対策と市民へのワクチン接種を成功させ、一層の市民福祉の向上、魅力ある都市づくりなど、千葉市の発展を目指して、新年度予算の執行に全力で当たられることを要望し、公明党市議団の賛成討論といたします。