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令和7年 第3回 定例議会

 

 

 

市政運営の基本姿勢について

 

【令和6年度決算について】

 令和6年度決算は、物価高騰等への対応の為、一般会計において7回の補正予算を編成し、結果、会計規模は前年度を上回り、過去2番目の規模となりました。

 また、近年は経年的に、臨時的な収入について多くを見込めず、市債の活用については、財政指標への影響を考慮する必要があるなか、市有施設の老朽化対策、物価高騰の影響や社会保障関係費の増大への対応など、様々な財政需要により、非常に厳しい収支状況にあったと認識しています。

 一般会計における決算の状況は、歳入決算額が5294億7024万円で、前年度と比較すると231億8685万円の増加で、このうち市税を中心とした自主財源は2606億1366万円で、前年度と比較すると39億8571万円が増加したものの、それを依存財源の増加が上回ったことから、構成比率は前年度に比べ1.5ポイント低下の49.2%となりました。

 一方、歳出決算額は5256億7720万円で、前年度と比較すると231億9416万円の増加となり、このうち義務的経費は3041億3590万円で、前年度と比較すると136億7785万円の増加で、構成比率が57.9%となりました。

 結果、形式収支額の37億9303万円から、翌年度へ繰り越すべき財源の8億1105万円を除いた実質収支額の29億8198万円を確保しました。これは前年度と比べて1億3130万円の増加となっています。

そこで伺います。令和6年度決算をどのように捉え、評価しているのか。また、子ども・教育の分野、健康・福祉の分野、安全・安心の分野など、予算を重点的に配分した分野の事業をどのように評価しているのかお聞かせください。

 令和6年度決算についてお答えします。まず、6年度決算と、重点的に予算を配分した事業の評価についてですが、6年度決算は、一定程度の実質収支を確保するとともに、基金からの借入残高を削減するなど、財政の健全性の維持に努めた決算であると認識しております。

 また、物価高騰の影響に機動的に対策を講じながら、子ども・教育や健康・福祉、安全・安心や都市・交通など、予算を重点配分した分野についても、概ね見込んでいた成果を上げることができたと考えております。

 主な事業について申し上げますと、子ども・教育の分野では、教育環境の整備・防災機能の充実のため、学校体育館への冷暖房設備整備に着手するとともに、ステップルームティーチャーの増員など、不登校対策の推進を図ったほか、健康・福祉の分野では、福祉まるごとサポートセンターにおいて新たにアウトリーチ支援を行うなど、重層的・包括的支援体制の強化を図るとともに、こども発達相談室を開設し、障害の早期発見・早期支援を行う体制を整備いたしました。

 安全・安心の分野では、避難所運営委員会の活動費用助成を拡充するとともに、風水害対策の強化を図るため、防災アセスメント調査を実施し、高潮における避難方針を定めたほか、都市・交通の分野では、路線バス廃止に伴う新たなコミュニティバスの運行や、デマンド型交通の社会実験区域を拡大するなど、持続可能な公共交通ネットワークの形成に取り組んで参りました。

 加えて、物価高騰対策では、学校・保育施設の給食費高騰分の支援のほか、中小企業者や公共交通事業者への支援などを実施し、影響緩和を図ったところであります。

 以上、主な成果を申し上げましたが、今後も、市民生活の向上に向けて、効率的・効果的に事業を推進し、魅力・活力のあるまちづくりを進めて参ります。

【新年度予算編成について】

 近年、新型コロナや物価高騰への対応など、社会経済情勢の急激な変化に対応するための財政出動のほか、社会保障関係経費の増加などにより、多額の財政調整基金の取崩しが続いています。このため、財政調整基金残高が減少傾向にあり、今後の活用可能額が限られている中、引き続き、少子超高齢化への対応、物価高騰の市民・事業者への影響、市有施設の更新など、多額な費用を要する取り組みが控えていることから、重点的に予算を配分するとしても、難しい予算編成作業になるものと予想されます。

 また、中期財政運営方針が令和7年度で期間を終了することから、今年度に新たな財政運営の方向性を検討する必要があると考えます。

 そこで令和8年度の予算編成にあたって、本市における財政の見通しと予算編成の基本的な考え方を伺います。

 財政の見通しと編成の基本的な考え方についてですが、令和8年度の財政見通しにつきましては、市税収入については経済情勢の動向を見極める必要がある一方、人件費や扶助費の増大、物価高騰に伴う行政コストの上昇、金利上昇に伴う公債費負担の増加に加え、市有施設の更新等への対応に多額の財政需要が見込まれるほか、財政調整基金の活用額が限られているなど、厳しい収支状況となるものと認識しております。

 この認識の下、新年度の予算編成にあたっては、国・県の予算編成の動向や制度改正を的確に把握し、本市予算への反映に努めるとともに、子育て支援の強化や企業立地の促進など、税源の涵養に資する取組みを着実に推進しつつ、ふるさと納税の受け入れの更なる強化など、自主財源の一層の確保を図って参ります。

 また、市民生活への影響に配慮しつつ、引き続き、公共料金の受益者負担の適正化を図るほか、必要により既存事務事業の見直しを行うなど、財政の健全性に配慮した取組みを進めるとともに、持続的発展のために真に必要な分野には重点的に財源を配分するなど、新たな時代を切り拓く未来志向のまちづくりに取り組んで参ります。

 このほか、物価高騰の影響についても、今議会に、学校等給食費支援や中小企業者への支援に係る補正予算を提案しておりますが、引き続き国等の動向を注視しつつ、市民生活や事業活動への影響を見極めながら、適切な対応に努めて参ります。

【資産経営について】

 公共施設等の資産経営については、多額な維持更新費用が集中的に発生し、財政負担が増大しないよう危機意識を持ちながら、これまでストックマネジメントによる施設の長寿命化や、ライフサイクルコストの最適化に向けた計画的な保全に努めてきたことを承知しています。

 しかし、本市がこれまで整備した公共施設等において、老朽化に伴う大規模改修や機能更新、建て替えへの対応が、一斉に多くの分野の施設等で既に始まっており、厳しい財政状況が続く中、公共施設の総量や事業コストの削減への取り組みについては、これまで以上に急ぐべきと感じています。

 そのような中、本年6月の定例会での会派代表質問における市長答弁では、今から10年後の2035年度末には、築50年を経過した公共施設が半数以上の約57%になることが示されました。

 今後も、公共施設の老朽化が容赦なく進むことに加え、本市人口が、ここ10年は急激に減少しないとされるものの、将来の人口減少を見据えますと、多額な費用を要している公共施設をどのように維持・更新していくべきかとの根本的な考えを決める計画が必要と考えます。また、その計画の策定は、同時に市民生活に大きな影響を及ぼす政策判断になると考えます。

 従いまして、本市においては、平成27年度に策定された公共施設等総合管理計画が、令和元年度末と令和4年度末に改定されながらも、今後の長期的な財政負担を踏まえた、持続的な公共施設の更新のあり方について、新たな考察も踏まえ検討し、そのことを通じて、市民との公共施設のあり方についての理解を広めることも、進めるべき時期と考えます。

 そこで、伺います。

 これまでの公共施設等の管理計画の変遷について

 共施設等総合管理計画の変遷についてですが、本市では公共施設等総合管理計画に先駆けて平成23年度に「千葉市資産経営基本方針」を策定し、資産経営の基本的考え方として、資産の効率的な利用・資産総量の縮減・計画的な保全による施設の長寿命化を掲げるとともに、資産データを一元化した上で各資産の総合評価を行ない、利用調整から施設の計画的保全までを担う資産経営システムを構築することといたしました。

 また、資産の効率的利用と総量縮減を具体化するものとして、平成26年度には「千葉市公共施設見直し方針」を策定し、再配置の考え方や見直しの進め方等を定めるとともに、維持更新費用の増大が見込まれる一方で、人口減少・少子高齢化の進展等により投資額の増加を期待することが難しい状況で施設の維持更新費用を賄うためには、30年間で対象施設の約15%にあたる約38万㎡の縮減が必要であるとするシミュレーションを公表し、さらに平成29年度には公共施設の再配置の具体的な検討方法・手続等を定めたところです。

 一方で、国の通知等に基づき、平成27年度に最初の「千葉市公共施設等総合管理計画」を策定しましたが、数値目標が設定されていないほか、資産経営に関する計画等が複数あってわかりにくい等の課題があったことから、令和元年度に資産経営基本方針と公共施設等総合管理計画の2本に計画体系を整理するとともに、「10年間で約18万㎡の所有床面積の縮減」を新たな目標として設定しました。

 直近においては、令和4年度に公共施設等総合管理計画の見直しを行い、施設の有効利用の検討や進捗管理などを行う庁内横断的な組織として資産経営推進本部を新たに設置し、資産経営に関する取組みの体制強化を図ったところです。

 今回の公共施設等総合管理計画の見直しによる新たな取り組みについてお聞かせください。

 公共施設等総合管理計画の見直しでの新たな取組みについてですが、施設の維持更新に係る費用について、昨今の建設工事費の高騰や老朽化対策を必要とする施設の増加などにより、現計画による推計よりも多額になることが見込まれることから、さらなる対策が求められております。

 そのため、今年度の見直しにおいては、事業費削減に向けた新たな取組みとして「施設の超長寿命化」及び「包括施設管理委託の導入」を盛り込むことを検討しております。 「施設の超長寿命化」につきましては、現計画では「資産の総合評価」にて計画的保全と評価し長期に使うこととした施設については目標耐用年数を一律で築後60年以上と設定しておりましたが、建物の使用可能年数と必要な改修内容を建物ごとに見極める耐用年数評価という新たな仕組みを導入し、築60年以上の使用が可能と判断した施設について必要な改修を行って更に数十年以上使用することで、建替えに係る建設費用の抑制を図っていく取組みです。

 「包括施設管理委託」については、専門的知見を有する民間事業者に、複数の施設にかかる設備保全・維持管理・日常修繕業務等を一括して委託するものであり、契約等にかかる職員業務量の低減とともに、統一的な視点による施設管理の適正化や早急な不具合対応等による施設の長寿命化及び安全確保を図ることで、市民サービスの向上を期待する取組みです。どちらの取組みも他市で導入事例があることから、今後は他市事例等での効果や課題などを検証し公共施設等総合管理計画への位置付けを検討してまいります。

【地方創生について】

 今から約10年前、2014年に日本創生会議が、報告書で人口減少をストップさせ、地方を元気にしていく「ストップ少子化・地方元気戦略」を提言するとともに、2040年にかけて20歳から39歳の女性人口が半減する市町村を、消滅可能性自治体と定義し、その数が全国の自治体の約半数に上る896団体であることを公表されました。

 ちなみに、昨年2024年の報告書によると744団体で、当初の896団体から152団体が減少していますが、これは外国人の増加を主な原因とするもので、日本人の人口で見ると出生率低下による少子化基調は全く変わっておらず、東京都の出生率が0.99になるなど、少子化は加速しています。

 さて、消滅可能性自治体数の公表は、この当時、人口減少と東京一極集中の進行に強く警鐘を鳴らしたものでありました。そして、この報告書をきっかけに政府は、地方創生の政策を本格化させ、2015年から各自治体が、地方版総合戦略を策定し、移住支援、創業支援、観光振興、子育て施策などが、一斉に進められてきました。

 しかし、千葉市においては、国の示す地方創生の柱である人口減少対策と地域経済活性化などは検討の余地はあるものの、都市部ではない地方を基にした一般的な地方版総合戦略に掲げられる政策に当てはまらないことが多いことを踏まえた上で、千葉市は、首都圏に位置する都市であること、また、房総半島の付け根という地理的優位性の考えを整理し、千葉市まち・ひと・しごと創生 人口ビジョン・総合戦略を、同じく2015年度に策定されました。

 そして、この計画期間が8年間であることから2022年度で1つの区切りを向かえることになり、その後は千葉市基本計画とその実施計画の中に、地方創生の取り組みが統合されていると聞いております。

 千葉市は、昨年1年間で、約5000人の人口増加を実現し、現在では98万7000人を超える都市に成長するものの、残念ながら本市の将来も人口減少を避けることは容易ではないとされています。

 人口ビジョン・総合戦略では、千葉市の人口は、主に市の東側、南側地域からの転入により支えられてきたとされる中、それらの地域では既に人口減少が始まっており、千葉市の活力を維持するためには、本市単独ではなく、周辺都市を含めた圏域全体の人口維持・増加を考えることが必要と考察されています。

 また、千葉市基本計画への地方創生の取り組みの統合にあたり、地方創生の取り組みが積極的に展開されてきたとされています。子育て・教育環境の充実、地域包括ケアシステムの構築・強化、地域経済の活性化で成果をあげてきたとのことでありますが、千葉市ならではの地方創生の施策展開はどのようになされたのか。地方創生の政策効果をデータで分析するなど、具体的な評価をお聞かせいただきたいと思います。

 そこで伺います。

 これまでの千葉市としての地方創生の捉え方と評価について

 本市では、国の、人口減少克服と東京一極集中の是正を目的とする地方創生への取組みを受け、平成28年に策定した「千葉市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略」に、「人口減少・少子超高齢社会に果敢に挑戦し、交流と共創による自立した圏域として、「東京」でも「地方」でもない新しい価値観を創り出すこと」を掲げ、地方創生の取組みを進めて参りました。

 令和5年度からスタートした基本計画及び第1次実施計画に総合戦略を統合した際にも、この考え方を継承し、圏域経済・社会の中心都市としての役割を果たすべく、未来のまちづくりに向けた戦略的視点に基づき、第1次実施計画の事業を中心に、積極的な施策展開を図ってきたところであり、そうした結果、第1次実施計画に位置付けたKPIでは、基準年度の令和3年度と比べ、3か年の計画の2年次目となる令和6年度決算時点で、約7割の指標が向上するなど、概ね順調に進捗してきております。

 また、本市人口について見てみても、全国的に人口減少社会が到来している最中、若者や子育て世代を含む全ての年代で転入者数が転出者数を上回る「転入超過」により、今もなお増加しているなど、住まう場として選ばれており、企業立地の促進による雇用の場の創出や、子育てと仕事を両立できる環境づくり、緑と水辺を感じられるまちづくりなど、地方創生の推進のため、本市ならではの特性を生かしながら進めてきたまちづくりが、着実に実を結んできているものと考えております。

 今後の千葉市における持続的な地方創生の取り組みについて

 現在、我が国全体が直面している人口減少は、少子高齢化を伴いながら急速に進行しており、このことは、社会保障費等の増大による国・地方の財政の悪化のみにとどまらず、労働力人口の減少や消費市場の縮小をも招き、社会経済全体を衰退させる深刻な課題となっております。

 本市においては、これまで人口増加を続けてまいりましたが、将来的な人口減少の局面を避けることは困難であると考えられ、そのような状況下にあっても社会経済活動を発展させ、より豊かな市民生活を実現するため、これまでの本市総合戦略や基本計画及び第1次実施計画に基づくまちづくりの中で磨き上げてきた、職住近接でワークライフバランスが実現可能な拠点性や、都市機能の中に緑と水辺といった自然を身近に感じられる環境など、本市の魅力とポテンシャルを最大限に活用しながら、本市が圏域を支え、活力の中心となり、けん引役として果たすべき役割を追求していくことで、時代の変化にも適応した地方創生を進めて参りたいと考えております。

 施策の推進にあたっては、市役所だけではなく、官民の連携による地域づくりやまちづくりが不可欠であると考えており、市民の皆様はもとより、様々な知見や技術・テクノロジー等を有する大学や企業などと、それぞれが持つ資源等を相互に活用・連携しながら、ともに地域社会を担う主体として、まちの付加価値を高める取組みを進めていくことが重要と考えており、公民共創の推進を図りながら、基本計画に掲げる「みんなが輝く 都市と自然が織りなす・千葉市」の実現を図って参ります。

【スタジアム・アリーナ構想を核とした幕張新都心のまちづくりについて】

 ご存じの通り、幕張新都心は、国際交流機能、国際業務機能、研究開発機能、商業・文化機能、スポーツ・レクリエーション機能、そして住宅機能など、多様な都市機能が一体的に集積しています。

 また、大型の集客施設や商業施設等が立地しており、県内最大級の集客力を持ち、多くの人々が集まる拠点で、新たなまちづくりにチャレンジしている本市の新都心であります。

 政令市30周年を迎えた令和4年度に、幕張新都心まちづくり将来構想が策定されています。その策定の趣旨には、1つに、幕張新都心は、まちびらきから30年が経過し、「職・住・学・遊」の複合機能を備えた未来型の国際業務都市として、日々約23万人が活動する大きなまちへと発展を遂げてきたこと、2つに、これまで旧千葉県企業庁が主体となってまちづくりを進めてきたが、旧企業庁事業の収束に伴い、これからは千葉市が主体的にまちづくりを取り組まなければならないとの決意、そして3つ目に、多様な関係者と協力して持続的に成長できるよう幕張新都心のまちづくりを進めていくと示されています。

 国内最大級のコンベンション施設である幕張メッセをはじめ、日本初・日本最大級など、常に先進的な施設・インフラが整備されてきた幕張新都心。また、これまでレッドブル・エアレースやX Gamesの日本初の開催も実現してきました。そして、国家戦略特区指定や各種実証実験のフィールドになるなど、様々な挑戦の取り組みも重ねてきていることも承知しています。

 しかしながら、幕張新都心まちづくり将来構想の中でも幕張新都心への想いや声として取りまとめられている中に、特定の目的や施設だけではなく「まちに来る」ことが目的となって欲しいとの声が象徴しているように、例えば、自動運転車両の実装やパーソナルモビリティーなどについては、移動手段として活用途上であり、また、まち全体をつなげる仕組みでは、回遊性の向上およびまちの空間を楽しむウォーカブルな取り組みも更なる拡充が必要と課題認識を強く持たなければならないと考えています。

 また、ここ最近から、この先おおよそ10年を見通して、幕張新都心の主なハードおよびソフト事業の動きを俯瞰してみますと、令和4年度に、JR京葉線・幕張豊砂駅が開業し、令和5年度には、イオンモール幕張新都心のリニューアルオープンおよびメルセデス・ベンツ日本本社の誘致、さらには令和6年度に、東洋エンジニアリング株式会社・本社誘致も実現し、JR京葉線・海浜幕張駅の新たな改札口として公園改札が供用されました。

 今後は令和8年度中に、仮称・市立幕張若葉小学校の開校や市立幕張海浜病院の開院、そして直近では、令和9年度中に、幕張海浜公園Bブロックの活性化施設整備・運営事業に民間活力を導入することの決定や、想定では、令和12年度中に、同じく幕張海浜公園Aブロックに、アルティーリ新アリーナの開業、さらには、令和16年度を目指してマリンスタジアム再整備が動き出しています。

 第2の「職・住・学・遊」のまちびらきと位置付ける、これからの幕張新都心のまちづくりには、司令塔となる組織の明確化とリーダーシップ、そして、社会経済動向や民間活力の意向等、さらには国・県・市の政策の動向を的確に踏まえたまちづくりを具現化する新たな計画の共有が必要と考えます。

 そこで、主に、幕張海浜公園における活性化施設整備(民活の導入)や、アルティーリ新アリーナの建設の検討、さらには、マリンスタジアムの再整備等の動きを核として、幕張新都心全体を俯瞰したまちづくりが重要だと考えます。

 そこで伺います。これらの変化・進化をどのように捉え、千葉市はどのような取り組みを行っていくのかお聞かせください。

 現在、幕張新都心では、官民連携によるスタジアム・アリーナの大規模なプロジェクトが進んでおり、令和4年に策定した幕張新都心まちづくり将来構想の実現を加速する絶好の好機と捉えております。

 これらプロジェクトの効果を最大限に発揮、創出させるためには、幕張新都心の長年の課題であるエリア内の回遊性の向上と、今後より一層の滞在快適性の向上を図ることが必要と考えており、これまで積み重ねてきた自動運転バスの検討や、海浜幕張駅周辺のエリアマネジメント、幕張豊砂駅周辺でのウォーカブルの取組みなどの民間主体による公共空間の魅力ある利活用の促進をさらに進めてまいります。

 こうしたところも踏まえ、幕張新都心にさらなる民間の投資と参画を促し、現在の動きを好循環へと導いていくことができるよう、より解像度を上げた、今後のまちづくりの基本的な方針の策定に向けた検討を進めてまいります。

【意見】

財政運営について

 中期財政運営方針が令和7年度で期間を終了します。この間、同方針に基づき、プライマリーバランスは黒字を維持、健全化判断比率はいずれも方針で定めた水準の範囲内、基金借入金は着実に残高を削減するなど一定の成果を挙げてきたところです。

 一方で、財政調整基金残高が減少しており、今後の活用財源が限られているなど、厳しい財政運営が見込まれており、今後も施設の老朽化対策をはじめ、金利上昇による公債費の負担増や少子高齢化に伴う社会保障関係費の増のほか、物価高への対応等が想定されるなど、厳しい財政運営が予想されます。そのため、引き続き、将来にわたり持続可能な財政構造の確立に向けた取組みを行うべきと考えており、今年度に新たな財政運営の方向性を検討する必要があると考えます。

 見直しにあたっては、自主財源の確保に向けた取組みを進めるとともに、歳出においても、既存事務事業の更なる見直しを行うとともに、社会経済状況の変化を踏まえ、初期の目的を達成した事業や、より効率的・効果的な取組みが期待できる事業について、幅広く検証の上、市民生活への影響に配慮しつつ、見直しを進めていただくことを期待いたします。

 財源が確保できないのであれば負担と受益のあり方も検討し、負担がどの程度なのかを示して、その場合、どの程度の市民福祉が将来にわたり持続するのかを示しながら市民に理解を広げていくことも必要になっていくかもしれません。

 いずれにしましても、検討に当たり当局の皆様におかれましては、千葉市の将来を見据えた、実効性のある中身となるよう、熟慮を重ねていただくことを期待します。


地方創生について

 厚生労働省の人口動態統計・速報では、今年の上半期1月から6月までの出生数は、前年同期比1万794人減、割合で3.1%減の33万9280人と発表がなされました。

 この結果は、上半期として過去最少を更新し、4年連続で40万人を下回ったことになります。改めて加速する少子化が浮き彫りになりました。

 私は、人口減少の局面において、持続可能なまちづくりのためには、民間企業等との共創(ともにつくる)がより一層重要であると考えています。

 行政や地域の課題を的確に捉え、行政側から積極的に民間企業等へ情報を発信する。そして課題・情報を共有することが、その解決につながるアイデアを多く集め解決策を見出す近道と考えます。

 そのようなことから、千葉市の持続的な地方創生に資する公民連携を強化すべきであり、その窓口としては、コネクテッドセンターちばの拡充、更なる活用に期待します。


幕張新都心のまちづくりについて

 「職・住・学・遊」で構成される幕張新都心は、企業・住民・来訪者など多くの活動主体が日々活発に活動しており、今回のスタジアム・アリーナ構想を核としたまちづくりの効果を全体に波及させるためには、幕張メッセをはじめ、多くの土地や施設を所有している千葉県も含め、これら多様な関係者との連携を、千葉市が中心となってしっかりと進めてもらいたいと考えています。